June, 18, 2015, Wilsonville--「逆の位相整合」(backward phase matching)、「非線形ミラー」としても知られている現象の観察は、この新しいタイプのメタマテリアルが作製できることを証明した。ジョージア工科大学の研究者がNature Materialsに論文を発表した。
この発見そのものに実用的なアプリケーションはほとんどないが、理論的に予言されていた材料の実現は新たな研究領域につながり、非線形光学を支配している基本法則の見直しを促す成果である。
「非線形光学は、情報処理、センシング、信号生成のために光を制御する際に極めて重要である」とジョージア工科大学電気・コンピュータ工学部、准教授Wenshan Cai氏は言う。
加工されたメタマテリアルは、自然の材料では得られない固有の特性を示す。これは非線形光学では特に有用である、ここでは、特殊な特性を持つ材料が、光をアクティブに制御しなければならないところではどこでも違いを発揮する。多くの研究所の研究者はすでに光学的メタマテリアルを作製している。これらは、より効率的な太陽電池、高速のコンピュータチップ、改善されたセンサ、見えなくするマント(隠れ蓑)に使用できる。
メタマテリアルは、構成材料よりも反復される単位構造からその特性が得られる。可視光から赤外光までの周波数範囲で、サブ波長の金属構造が基礎的要素である「メタ-アトム(原子)」となり、これまでは得られなかったような特性を持つ光学材料を作り出す。
実験的に研究者は、テストできるサイズのサンプルで、負の屈折率を持つ材料、メタマテリアル研究の究極目標を実現しようとしてきた。これには、基本振動数と調和振動数の屈折率を両方同時に調整しなければならなかった。
研究チームは、非線形プラズモン導波路で2つの明確に区別できるモードを利用することで逆位相整合を実証することができた。これは、相対的に高屈折率の、薄い誘電体スペーサを2枚の平坦な銀膜で挟んで作製した。ギャップの大きな誘電率により、表面プラズモンとバルクプラズモン周波数との明確な区別が可能になり、一方狭いギャップが動作ポイントを表面プラズモン周波数から遠ざけ、2つのモードの屈折率のバランスに寄与した。
導波路は、基本波と調和波はそれぞれ、実際のモード屈折率が、3.4と-3.4で動作した。約780nmの励起波長で、観察された変換効率のピークは位相整合条件が達成されていることを示している。論文によると、コヒレント調和波が入力基本光と反対方向に沿って生じた。
研究チームは、広範囲にわたる計測を行い、導波路における逆位相整合現象を実験的に確認した。
位相整合は、非線形オプティクスを用いて効率的な周波数生成のために基本技術、通常非線形結晶の方向や温度を精密調整することによって達成される。SGH、周波数逓倍の非線形プロセスでは、位相整合は基本周波数と2倍(調和)周波数の屈折率が同じであることが必要。そのようにして、基本の光は伝搬方向に沿って徐々に高調波光に変換される、また出力高調波光は同じ方向に共に伝搬する。