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集積フォトニクス回路向けにグラフェンで世界最薄光源

June, 17, 2015, Austin-- コロンビア大、ソウル国立大、韓国標準・科学研究所(KRISS)、テキサス大の研究およびエンジニアチームは、グラフェンを用いた可視光源を初めて実証した。この新しいタイプの光源は、高速通信デバイスや、薄く柔軟で透明なコンピュータディスプレイ実現に役立つ。
 研究チームは、金属電極に小さなグラフェン片(ストリップ)を取り付けた。ストリップはシリコンチップ上に宙吊りになっており、電流がフィラメントを通ることでストリップが加熱される。コロンビア大機械工学、James Hone教授によると、作製したのは世界最薄型光源(電球)。
 研究チームは、エジソンが白熱電球を発明したときに使用したのと同じ材料の特殊形態を用いた。エジソンは、カーボン(炭素)をこの電球のフィラメントとして用いた。新しい光源は、同じ元素をその純粋形態、グラフェンをその究極サイズ限界、1原子厚で用いている。
 このプロジェクトに取り組んでいる、テキサス大博士課程学生、Yujin Choは、電圧を印可しながらその微小デバイスの光出力を計測した。
 チップ表面に微小構造の光を創ることは、完全集積光回路の開発に極めて重要になる。フォトニック回路では、現在半導体ICの電流で処理していることを光で処理できる。研究者は、このために多くのアプローチを開発したが、最も歴史が古い単純な人工の光源、白熱電球をチップ上に置くことはまだできていない。これは、可視光域で光らせるためには、バルブのフィラメントが極めて熱い、数千℃に達するからであり、マイクロスケールの金属ワイヤはそのような温度に耐えられないからである。また、熱いフィラメントから周囲への熱転移がマイクロスケールでは非常に効率的であり、周辺チップに障害をもたらす。
 グラフェンからの放出光のスペクトラムを計測することで研究チームは、明るく輝くのに十分な2500℃を超える温度に達していることを示すことができた。
 グラフェンが基板、金属電極を溶かすことなくそのような高温に達することができるのは、別の興味深い特性によるものである。グラフェンは加熱するにしたがい、熱伝導性が著しく劣化する。このことは、高温が中心部の小さな「ホットスポット」に閉じ込められていることを意味する。これにより、この新しい光源のエネルギー効率が1000倍向上する。これは、固体シリコンチップ上のグラフェンとの比較。
 研究チームは、化学蒸着グラフェン発光体の大規模アレイを作製することでこの技術を拡張できることも実証した。
 研究グループは、これらのデバイスのパフォーマンスをさらに評価することに取り組んでいる。例えば、光通信用のビットを作成するためにどの程度高速にON/OFFができるか、また柔軟な基板に集積する技術の開発にも取り組んでいる。