June, 9, 2015, Houston--ライス大学と中国医科学アカデミーなどの研究者で構成される研究チームは、ライス大学が開発した、ローコスト、ポータブルのバッテリ駆動マイクロ内視鏡を使うことで、食道ガンの標準的な内視鏡検査を行っている多くの患者が、最終的に高価な生検を回避できることを米国と中国の患者の臨床検査で明らかにした。
臨床研究には、米国と中国の患者147人が参加した。患者たちは、悪性扁平上皮ガンの検査を受けており、従来の内視鏡と組み合わせて用いるときに、ライスのローコスト、高解像度光ファイバイメージングシステムが、不要な生検を排除できるかどうかを調べた。
病理学検査では、生検を受けた患者の半分以上、58%が高悪性の前癌状態あるいはガンではないことが明らかになった。研究チームは、マイクロ内視鏡検査が不要な生検を排除できることを確認した。これは良性病変の患者の約90%である。
組織学的検査のために生検が必要かどうかを判断するために、医療関係者は内視鏡を使うことが多い。ライス大学の高解像度マイクロ内視鏡は、標準的な内視鏡に取り付けた1㎜幅のファイバケーブル使用する。ケーブルは、画像をハイパワー蛍光顕微鏡に転送し、内視鏡担当医師はタブレットコンピュータを使用して顕微鏡からの出力を見る。マイクロ内視鏡は、従来の組織学と同等の解像度を提供し、内視鏡医師がガンの疑いのある病変の細胞や細胞核を診ることができる。
リアルタイムで組織学的データを内視鏡に提供することでライスのマイクロ内視鏡は、他の方法では生検が必要となるようなケースの悪性病変の排除に役立つ。
「従来の内視鏡は悪性腫瘍を排除し、ある患者には生検の必要性を排除できるが、非常に多くの症例では悪性と良性病変の違いは組織学的分析を通してしかはっきりしなかった」とSharmila Anandasabapathy医学教授は言う。
Richards-Kortumの研究室は、臨床現場でガンや感染症を発見するために、ローコスト光学イメージングや分光学ツールの開発を専門にしている。研究グループは特に、設備不足の臨床現場のための技術を開発することに関心を持っている。
(詳細は、www.rice.edu)