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見えないインクが偽造発見に役立つ

April, 30, 2015, Evanston--ノースウエスタン大学(Northwestern University)の研究チームは、高度な蛍光インクを開発した。これは、偽造されることが多い製品が本物であることを消費者が確認するマルチカラーバーコードとして使用できる。スマートフォンで写真を撮ることで、その品物が本物であり、買うに値するかが分かるようになる。
 国際商業会議所(ICC)によると、偽造は世界的に大きなビジネスになっており、損失は世界で年間6500億ドルになる。新しい蛍光インクは、メーカーや消費者にとって、偽造者が真似することが難しい認証ツールになる。
 このインクは、インクジェットプリンタで印刷することができ、通常の光では見えないが、UV光下では見える。インクは、紙幣やウイスキービンから高級バッグ、高価な化粧品まで何にでもバーコードやQRコードとしてスタンプすることができ、本物であることを証明する。
 優位点はインクの色の制御にある。インクは、単色あるいは多色グラデーションにすることができる。インクの色は3つの「成分」分子の量と相互作用に依存しており、これによって内蔵「分子暗号」ツールが実現する(成分の一つは糖類)。インク成分のわずかな変化でも色が大きく変わってしまう。
 この研究の著者、Sir Fraser Stoddart氏によると、インクはソフトドリンクの独自処方に似ている。「他の成分を用いてその味に近づくことはできるが、正確なレシピが分からないとその味に正確に一致させることは不可能である」。
 メーカーがインクのレシピ、あるいは化学成分をコントロールしているので偽造者は、印刷されたバーコード、QRコード、商標にエンコードされた色情報をリバースエンジニアリングすることは実質的に不可能。インクの発明者でも暗号化設定の詳細な知識なしでは、そのプロセスをリバースエンジニアリングすることはできない。
 この技術の実証で研究チームは、3つの化学成分をインクジェットカートリッジに実装してヴァン・ゴッホ(Van Gogh)の「ひまわり」(Sunflowers)を印刷した。バーコードやQRコードと同様に、印刷された画像はUV光でだけ見えるようになる。
 インクは、単糖(シクロデキストリン)、競合結合剤と活性成分(ヘテロロタキサン)を混ぜることで考案しており、その蛍光色はスペクトルの赤が黄色、緑色に沿って変化する。これは成分が一つになる仕方に依存し、無限の組合せが簡単に造れる。
 糖そのものは無色であるが、それはインクの他の成分と相互作用し、選択的に一部を包み込むので、分子が相互に着かなくなり、予測困難な色の変化が生ずる。この特性は、偽造者には大きな難題となる。
(詳細は、northwestern.edu)