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ディスプレイやバイオセンシングの可能性を広げる新デバイス

March, 2, 2026, New York--ニューヨーク州立大学バッファロー校(UB:University at Buffalo)の研究者たちは、必要に応じて色や挙動を変化させる装置を開発した。新技術は電子書籍リーダーやスマートウォッチ、液体生検に使われるバイオセンサなど、次世代の日常消費財を変革する可能性がある。

電気工学科准教授、Peter Q. Liuは、Advanced Materials誌に掲載された「Electrically Reconfigurable Liquid Metal Nanophotonic Platform for Color Display and Imaging」の研究の通信著者であり、日常機器や重要なプロセスを向上させる可能性のある新しいデバイスについて詳述している。

「われわれはガリウム系の室温液体金属を用いて構造的変形性と再構成性を実現する新しいタイプの電気的に再構成可能なナノフォトニックデバイスを発明した。このような液体金属ベースの再構成可能なナノフォトニクスデバイスは、カラーディスプレイ、調整可能な光学フィルタ、バイオセンシング、バイオイメージングなど、幅広いアプリケーションの可能性がある」とLiuはは説明している。

ガリウム系の室温液体金属は、従来の固体金属に比べてシームレスに変形する能力を生み出している。今日われわれが使っているテレビやモニタ画面、スマートフォンやタブレットなど、調整可能なディスプレイを持つ多くの製品は液晶を使っているが、これには欠点がある。液晶ディスプレイはバックライトに依存し、画像表示には一定の電力を必要とし、必要以上のエネルギーを消費する。また、明るい日光など強い周囲光に遭遇するデバイス向けに液晶を高性能反射ディスプレイとして使うことも困難である。Liuとチームが開発した新装置は、同様の目的で使われる他の材料の限界を克服する高性能反射ディスプレイへの実現可能な道筋を提供する。

ナノフォトニックデバイスは小型光学デバイスで、ハイブリッド共振器構造を用いて機能する。構造の最初の部分は液体金属で、マイクロ流体システムに収められており、研究者が液体金属の動きを制御できる。構造の第二の部分は金色のナノパッチで構成されている。金ナノパッチは、金が優れた光学応答性と優れた安定性を持つため、ハイブリッド共振器の上部構造として用いられている。液体金属の層は動く設置面のように機能し、動く鏡のように光が金のナノパッチと相互作用する方法を劇的に変える。電圧がシステムに印加されると、電気化学的な濡れ効果が起こり、液体金属を移動させる。この変化により、デバイスに劇的かつ可逆的な変化が生じ、目に見える色の変化が生じる。

液体金属ベースのナノフォトニック共振器のスペクトル応答、すなわち色の変化は、ナノ粒子やナノメトリ薄膜など他の微小またはナノスケールの物体に対して非常に感度が高い。これらの共振器は、通常は観測できない物体を検出し、明らかにすることができる。Liuによると、これらのデバイスはカラーディスプレイ、調整可能な光学フィルタ、バイオセンシング、バイオイメージングなど多様なアプリケーションに使用できる。

「この研究はチューナブルフォトニクス研究の新たな道を切り開き、研究コミュニティによる液体金属ベースのフォトニックデバイスやシステムのさらなる開発をシミュレートし、最終的には産業界での技術採用につながると考えている」とLiuはコメントしている。