Science/Research 詳細

次世代半導体MoS₂の革新的ウエハースケール成膜技術を開発

February, 4, 2026, 東京--物質・材料研究機構(NIMS)の佐久間芳樹 NIMS特別研究員と東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻の長汐晃輔教授らの研究グループは、名古屋大学、筑波大学、東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ(株)との共同研究により、有機金属化学気相成長法(MOCVD)を用いた単層膜厚の二硫化モリブデン(MoS2)の成長に関して、サファイア基板上でのMoS2結晶粒の自己整合的な合体と成長膜厚の自己停止という2つの重要な成膜メカニズムを発見した。
これらのメカニズムを利用することで、単層MoS2単結晶膜をウエハースケールで再現性高くエピタキシャル成長させることが可能となった。また、電子移動度の温度依存性から、この手法によるMoS2は欠陥密度が少なく高品質であることが実証された。

この成果は、ウエハースケールで高品質かつ均一な二次元半導体(2D半導体)の単結晶薄膜を安定して製造できる道を切り開いたものであり、将来の大規模集積回路や低消費電力エレクトロニクス、さらには光電子デバイス応用においても大きな意義を持つ。

要点
・MOCVD法を用いて、サファイア基板上のMoS2結晶粒が自己整合して単結晶化する革新的な成長メカニズムを発見。

・独自のプリカーサ選択により、成膜反応が単層厚さで自動停止する新たな現象を見いだし、2インチサイズのウエハー全体にわたって均一で再現性の高い単層MoS2膜を実現。

・2つの成膜メカニズムの相乗効果により高い電子移動度を達成。量産化を見据えたウエハースケールで高品質な単層MoS2単結晶膜の形成という産業界からの要請に応えるとともに、次世代サブ1nmノード論理トランジスタ実現に向けた重要な一歩。

〈詳細は、https://www.nims.go.jp