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超高解像度顕微鏡用の低コストかつ高品質なレンズ実証

January, 23, 2026, Washington--ストラスクライド大学(University of Strathclyde)の研究チームは、消費者向け3Dプリンタや低コストの材料を用いて、超解像度イメージングを可能にする多素子光学部品を製造できることを示した。
これらの部品は、各レンズの製造コストが1ドル未満であることが示されている。新しい製造法は、完全にカスタマイズ可能な光学部品へのアクセスを広げ、まったく新しいタイプのイメージングツールを可能にする。

Optica Publishing GroupのBiomedical Optics Express誌では、研究チームは3Dプリンティング、シリコーン成形、UV硬化可能なクリアレジンを組み合わせたレンズ設計と製造プロセスについて説明している。チームは自らの技術で製作されたレンズレットを用いて、細胞内の細胞骨格中の微小管を約150nmの解像度で画像化する多焦点構造照明顕微鏡を実現した。

「われわれの新しいアプローチにより、科学者や企業はこれまで高額な費用をかけて専門技術に頼らざるを得なかったツールにアクセスできるようになる」とChristopherは話している。「手ごろな価格の3Dプリンタと材料を活用し、独自のコンポーネントを製造し、直面している問題を解決し、ひいては、独自の研究および製品開発ソリューションを生み出した」。

高度なイメージングのための安価なレンズ

この研究は、消費者向けの3Dプリンタや材料を用いて工場生産の光学機器と同一の基本的なレンズを製造できることを示した以前の研究に基づいている。これらのレンズは、完全3Dプリント顕微鏡の製造に使われた。

「消費者向けの3Dプリント技術が年々高度かつ精密になっていくにつれて、われわれの野望は、3Dプリントレンズが生物学的イメージングに使えるかどうかから、最新の先進イメージングコンセプトの中で3Dプリンティングレンズがどこまで応用できるかという点へと大きくなった」と研究チームのリーダー、Ralf Bauerは語っている。

新研究では、多焦点構造照明顕微鏡(SIM)で使用できる安価なレンズを製造したいと考えていた。このタイプの顕微鏡は、複数の焦点でパターン化された光を用いてサンプルを照らし、複数の画像を計算的に組み合わせて通常の回折限界よりもさらに詳細なことを明らかにする。

顕微鏡用の高品質なレンズを作るために、研究チームは3Dプリントレンズでレーザを集束させる際に観察された光学散乱を低減する方法を考え出す必要があった。この散乱は、レンズがピクセル化されたスクリーンで層ごとにプリントされるため、レンズ内で望ましくない回折効果を引き起こす可能性がある。チームは、この問題を解消するための成形法を開発した。

レーザに優しいレンズの作り方

新しい製造方法は、無料のCADソフトウェアで光学機器を設計し、3Dプリンタを使って設計を行う典型的な3Dプリント工程から始まる。簡単な処理工程を経て、3Dプリントされた生の光学部品が生成される。レンズの鮮明さと透明性を高めるために、研究チームは各レンズ表面にさらに多くの3Dプリント素材を塗布して3Dプリントによって生成される薄い層を滑らかにした。この積層型アプローチは、従来の研磨法よりもはるかに迅速で、商業用ガラスレンズに匹敵するほど滑らかな表面を持つカスタムデザインのレンズを作り上げた。

多焦点構造照明顕微鏡向けにはレンズレットアレイを設計・プリントした。これは同じ表面上に多数の小さなレンズで構成された単一の光学機器である。この光学設計により、顕微鏡内で多くの照明点を作成でき、生物学的サンプルの微細なディテールを捕捉する能力が高速化される。

レンズレットアレイをプリントし改良した後、チームはそのシリコンモールドを作り、安価なUV硬化可能なクリアレジンを詰めた。これにより回折の影響を受けない光学部品が作り出された。

研究チームは精密な表面測定を用いて、低コストの光学機器とハイエンドかつ低価格の商業用光学機器を比較し、3Dプリントレンズ表面が両タイプの市販光学面と良好に一致していることを発見した。その後、3Dプリントされた光学レンズアレイを実験室の試作多焦点構造照明顕微鏡に搭載し、商業用ガラスレンズアレイで取得されたものとほぼ同等の品質を持つ超分解能の生物学データを観察した。

次に、研究チームは光学3Dプリンティングがもたらす設計の自由度をさらに探求する予定である。例えば、この手法は三次元で複数の焦点を合わせて生成したり、バイオインスパイアドイメージングやセンシング設計を探求したり、異なる材料を組み合わせて透明で不透明な特徴を組み合わせた単一の手頃なコンポーネントを作り、機能性を高めるために使うことができる。