January, 19, 2026, Houghton--アメリカMTUの研究チームは、既存の大気LiDARの約100~1,000倍の詳細な雲構造を観測できるレーザベースのリモートセンシングシステムを実証した(Proc. Natl. Acad. Sci., doi: 10.1073/pnas.2505421122)。
実験室で生成された雲を観察するために使われる際、LiDARシステムによって明らかになる細かい構造的特徴は、雲の明るさや降雨の可能性に影響を与える微視的な雲の特性の測定に関連している。
雲の微細構造を捉える
その結果、雲の上部近くの雲滴が内部の雲とどのように異なるかが示されている。このような小規模な変動は、雲の進化や地球の気候への影響を理解する上で極めて重要だが、大気の測定や数値モデルでは捉えられていない。「これらの雲の頂上の微細構造を直接かつ非侵襲的に観測できたのはこれが初めてである」と、この研究の筆頭著者、ブルックヘブン国立研究所のFan Yangは話している。
チームが開発したLiDARシステムは、超短レーザパルスが雲に照射された際に広報散乱フォトンの到達時間を測定する時間相関シングルフォトンカウント技術を利用している。解像度向上のため、研究チームは30psのパルスを高反復率で発する専用ファイバレーザを設計・製作し、これを使ってタイミング電子回路の精密な基準信号も生成した。
シングルフォトンディテクタと組み合わせると、LiDARシステムは80psのタイミング分解能を達成し、距離分解能は1.2cmに相当する。また、ディテクタに最初に到達したフォトンのみを検出するように構成されており、フォトン数が少なく背景雑音が多い環境でも小さな空間構造を復元できる。これらの最初に到達するフォトンのプロファイルは、液滴の数やその大きさ分布などの雲の特性と関連付けることができる。
改良モデルに向けて
チームはミシガン工科大学(MTU)の実験室で特定の温度・湿度条件下で生成された雲を用いてツールをテストした。測定の結果、雲の上部10cmは大部分よりもはるかに少ない水滴が含まれており、これは主に雲の表面から蒸発する水によるものだった。次の10cmは内部よりも水滴が少なく、今回は大きな水滴が雲に落ちて小さな水滴だけが残ったためである。
雲頂における詳細な物理的メカニズムを理解することは、通常このような小規模な変動を無視または単純化しがちな大気モデルの改善に役立つと考えられる。「雲頂の物理学を正確に再現しないと、雲が太陽光を反射し降雨を引き起こすというモデル予測に大きな不確実性が生じる可能性がある」(Fang)。
雲チャンバーでの制御実験は、Fangのブルックヘブンチームが製作したT2 LiDARのような空中シングルフォトン機器による測定の校正にも重要となる。