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量子ドットデバイス、複数の周波数エンタングルフォトン生成

January, 15, 2026, Washington--パリ工科大学の研究チームは、複数の周波数エンタングルフォトンを効率的に生成できる新しい装置を設計した。これは、今日の光学機器では達成できない偉業である。この新しいアプローチは、より強力な量子通信および計算技術への道を開く可能性がある。

「粒子を効率的にエンタングルすることは、量子技術の全力を引き出すための重要な能力である。計算を加速か、精密測定の基本的な限界を超えるか、量子物理学の法則を用いて破れないセキュリティを保証するか、そのいずれでもだ」と、パリ工科大学テレコム・パリのNicolas Fabreは語っている。「フォトンは光ファイバや自由空間を長距離移動できるため理想的だ。しかし、2つ以上の光子間で周波数エンタングルを効率的に生成する方法はまだ見つかっていない。」

周波数エンタングルメントは、フォトンの色、つまり周波数を量子相関によって結びつけ、情報を運ぶための新たなスペクトル自由度を加える。

Optica Quantum誌では、研究チームは新しい装置による数値シミュレーション結果を報告している。この装置は量子ドットを用いて、特定のフォトン相互作用をフィルタリングや選択することなく独立したフォトンの周波数をエンタングルする。このプロセスは多くのフォトンをエンタングルさせるために繰り返すことが可能であり、オンチップフォトニックプラットフォームとも互換性があるため、スケーラブルなマルチフォトン周波数エンタングルメントへの現実的な道筋を提供する。

「この装置で生成されるエンタングルされたフォトンは長距離を移動し、将来の量子コンピュータでもハッキングできない通信を保証することができる。この装置は通信波長で動作するため、エンタングルしたフォトンを使い、すでに地中に存在するファイバを使って長距離量子ネットワークを構築することができる」(Fabre)。

スペクトルの形を変える

この新しい研究は、量子技術コミュニティにおけるフォトンの時間・周波数自由度(フォトンの色と到達時刻)をより良く活用しようとする広範な取り組みから生まれた。複数のフォトン間の周波数エンタングルメントを生成する課題を解決するため、研究チームはシェーピング周波数エンタングルゲート(FrEnGATE)と呼ばれる装置コンセプトを開発した。

通常、2つのフォトンは互いに通過し合い、相互作用しないが、FrEnGATEには人工原子のように作用する量子ドットを備えた導波路がある。適切なタイミング条件下では、量子ドットは一時的な媒介子として機能し、フォトンの色が相関してquditと呼ばれる周波数エンタングルド状態を形成する。これらのqudit状態は、ほとんどの量子系が生成する単純な二準位(qubit)状態よりも、フォトンあたりより多くの情報を運ぶことができる。

「FrEnGATEは2つのフォトンの結合スペクトルを変え、単純な入力フォトンを出力で周波数もつれ量子状態に変換する」とFabreは説明している。「これを可能にした重要な理論的洞察は、高速と遅い力学を分離し、すべてのシングルフォトン遷移を抑制しつつ、はるかに遅いが非常に有用な2フォトン相互作用を存続させることだった。これにより、2つの独立したフォトンが周波数エンタングルになることが可能になる。」

エンタングルメントのモデリング

この概念を検証するために、研究チームは導波路内のリアルな量子ドットの詳細なコンピュータモデルを作成した。その後、有効2フォトン相互作用を導き出し、様々な入力フォトンがデバイス内でどのように進化するかをシュミレートした。また、標準的なツールを用いて周波数エンタングルメント量を定量化し、結合強度、線幅、タイミングがゲート性能にどのように影響するかも検証した。

シミュレーションの結果、クリーンルーム製造技術の最近の進歩により、量子ドットの内部構造を設計し、低損失導波路内に量子ドットを埋め込み、1550nm通信帯の単一誘導フォトンとの強い光物質相互作用を生み出せるようになったことが示された。

研究チームは、各試行で周波数エンタングルドフォトン状態を生成する成功確率は15%と推定している。これは、非線形結晶で得られる確率を大幅に向上させている。非線形結晶は新しいエンタングルフォトンをゼロから生成できるが、既存のフォトンはエンタングリングできない。

著者らによると、周波数エンタングルドフォトン状態を生成する確率を向上させることは、実用的なシステム開発に重要になる。さらに、量子ドットの内部構造、結合強度、微細構造の分裂を精密に設計し、FrEnGATEの実験版を作成する必要がある。