November, 20, 2025, 京都--京セラ株式会社(京セラ)は、これまでに実証された最速のファイバレスUWOC技術の一つである、5.2Gbpsの短距離データ伝送が可能な水中無線光通信(UWOC)技術の実証に成功したと発表した。
京セラの新たな開発により、海洋探査や水中ロボットの運用のためのリアルタイムかつ大量のデータ伝送が可能になり、高解像度の画像、ビデオフィード、センサデータへの即時アクセスが可能になり、より効率的な水中研究とロボット制御がサポートされる。
このUWOC技術は、2026年1月6日〜9日(現地時間)に米国ラスベガスで開催される最先端技術展示会「CES 2026」の京セラブース(西ホール#6501)で紹介される。
開発の背景
波の下の世界は急速に変化している。現在、自律型水中ビークル (AUV) とドローンは、海洋調査、構造検査、資源探査を再定義している。しかし、これらの発見のフロンティアにおける主流のオーディオコミュニケーションは、その速度という大きなボトルネックに直面している。わずか数Mbpsの上限で、低速の伝送により、高解像度のビデオやビッグデータの瞬時共有が制限される。
京セラは、これらの限界を克服することを決意し、特殊なUWOCの研究開発を推進し、淡水実験室で5.2Gbpsという驚異的な伝送を実現した。
京セラの超高速UWOC技術
の特長
・独自のPHY(物理)層
の開発デジタルデータの流れをレーザ光に変換することを想像してみると、これは水中無線光通信におけるPHY(物理)層の中核的なミッションである。有線および一般的な無線技術に大きく依存し、水中で揺らぐことが多い標準仕様とは異なり、京セラ独自の通信規格は、水中データ転送の安定性と容量を提供する。
京セラは、水中環境の課題に合わせてカスタマイズされた高度な高速システムにより、最も要求の厳しい環境でも信頼性の高い大規模伝送を可能にする。
・水中帯域の1GHzまで拡張
京セラは、独自の通信仕様を応用し、光半導体部品の帯域特性を最大限に活かした1GHzを超える広帯域の光フロントエンド回路を開発した。
この特性により、ユーザは同じ時間枠で大幅に多くの情報を送信できるようになり、ライブ水中ビデオストリーミング、センサデータ転送、共同検査などのアクティビティがはるかに高速で信頼性の高いものになる。これにより、従来の水中光通信の約2.5倍のデータ転送速度を実現し、重要なデータにほぼ瞬時にアクセスして共有することができる。
今後の展開
京セラの技術は、AUVからの高精細映像のリアルタイム共有、水中構造物の高精度検査、海洋研究における大量データの即時取得、複数の水中センサからの同時データ収集など、幅広い分野で活用できる可能性を秘めている。ユーザは高速で中断のないデータ送信の恩恵を受け、水中タスクの効率性と応答性が向上する。今後、通信距離や容量を拡大するための開発は、海洋産業や学術研究の技術革新を加速させ、次世代の海洋ICTインフラの構築に貢献できる可能性がある。