August, 18, 2025, Raleigh--NC Stateの研究チームは、現在の技術よりも桁違いに小さく、紫外線から近赤外までの光波長を正確に測定できる分光計の実証に成功した。この技術により、ハンドヘルド分光装置の作成が可能になり、次世代のイメージング分光計として機能する新しいセンサの配列を組み込んだデバイスの開発が期待される。
「分光計は、光がそれらの材料と相互作用するときにどのように変化するかに基づいて、様々な材料の化学的および物理的特性を理解するのに役立つ重要なツールである。これらは、製造から生物医学診断まで、様々なアプリケーションで使用されている。とは言え、市場に出回っている最小の分光計は依然としてかなりかさばる」と、この研究に関する論文の責任著者、NC Stateの機械および航空宇宙工学教授Brendan O’Connorはコメントしている。
「われわれは、低電圧で高速に動作し、広範囲の光に敏感な分光計を作成した。われわれのデモンストレーションプロトタイプのサイズはわずか数平方ミリメートルである。携帯電話に収まる。その気になれば、ピクセルほどに小さくすることも可能だ」(O’Connor)。
この技術は、光がターゲット材料と相互作用した後、光の波長を感知できる小さな光検出器を利用している。光検出器に様々な電圧を印加することで、光検出器が最も感度の高い波長の光を操作できる。
「光検出器に様々な電圧を急速に印加し、各電圧で取り込まれる光のすべての波長を測定すると、単純な計算プログラムで、ターゲット材料を通過または反射する光の正確なシグネチャを再現できる十分なデータが得られる。電圧の範囲は1V未満で、プロセス全体が1ミリ秒未満で完了する」(O’Connor)。
小型光検出器を作成するこれまでの試みは、複雑な光学系に依存していたり、高電圧を使用したり、そのような広範囲の波長に対してそれほど感度が高くなかったりした。
概念実証テストで、研究チームは、ピクセルサイズの分光計が従来の分光計と同等の精度を持ち、市販の光検出装置に匹敵する感度を持っていることを確認した。
「長期的には、われわれの目標は分光計を消費者市場に導入することだ。この技術のサイズとエネルギー需要により、スマートフォンに組み込むことが可能になり、これによりいくつかのエキサイティングなアプリケーションが可能になると考えている。研究の観点からは、これはまた、イメージング分光法、顕微鏡分光法、および研究室で役立つその他のアプリケーションへのアクセスを改善する道を開く」とO’Connorは話している。
論文「バイアス調整可能なタンデム有機光検出器に基づく単一ピクセル分光計」がDevice誌に掲載された。