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DNP、オランダに初の海外R&Dセンタを開設、コパッケージオプティクスR&Dを推進

July, 23, 2025, 東京--大日本印刷株式会社(DNP)は、2025年9月にオランダに初の海外研究開発(R&D)センタを開設する。新しいR&Dセンタは、同国南部のハイテクキャンパスアイントホーフェン(HTCE)に設置され、グローバルなR&Dを促進するとともに、イノベーションを加速することを目指している。

HTCEは、約300の企業と研究機関、12,500人以上の研究者、エンジニア、起業家が集まって革新的な技術と製品を開発する、ヨーロッパ有数のイノベーションハブである。

HTCEにおける最初のプロジェクトでは、次世代の半導体技術として注目されているCo-Packaged Optics1の研究開発を推進する。

2025年7月3日、DNPはオランダ応用科学研究機構(TNO)と、コパッケージ光学系の共同研究開発に関する協定に署名した。これらの活動は、キャンパス内に設置され、基礎研究からフォトニックチップ(光ICチップ)の量産までをつなぐ研究機関であるPITC(Photonic Integration Technology Centre)と連携して推進する。

バックグラウンド
DNPは、現中期経営計画「2023-2025年度」を掲げ、「新規事業の創出と強みの伸ばし」と「強みのグローバル展開」などのR&Dテーマを推進している。

DNPでは、先端技術の研究開発や新規事業の創出など、海外での研究開発拠点の設立の可能性を模索している。今回の開発では、HTCEに初の海外研究開発拠点を開設することとし、最初のプロジェクトとして、Co-Packaged Optics関連の研究開発に取り組むことになった。

研究開発の内容と目標
近年、ジェネレーティブAIの急速な普及やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、流通する情報量は大幅に増加している。それに伴い、クラウドサービスを提供するデータセンタの消費電力の増加が大きな社会課題となっている。情報流通の拡大に対して、電気による高速伝送では対応できないことが予想されるため、電気ではなく光ですべての情報を伝送する技術の開発が求められている。このニーズに応えるため、光通信技術と電子技術を融合し、高い情報処理性能、低消費電力、省エネルギーを実現するCo-Packaged Optics技術は、次世代半導体への展開が期待されている。

DNPは、現中期経営計画において半導体関連製品・サービスを重点事業領域に位置付け、高付加価値製品の開発を推進している。その一環として、光回路と電気回路を一体化した「Co-Packaged Optics」のパッケージ部品の開発を進めている。この取り組みを加速させるため、PITCをはじめとするHTCE系組織と3年間の共同研究を行い、Co-Packaged Opticsに関連する光学材料の精密パターニング技術などの先端技術の獲得や、新たなパートナー企業の開拓を目指す。
HTCEでは、DNPは多様な企業、人材、技術を結集したオープンイノベーションを推進する。これにより、Co-Packaged Opticsの普及だけでなく、DNPの強みを活かした新たな事業を創出していく。
(詳細は、https://www.global.dnp)