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EPFL、光を粒子と波の両方で初めて撮影

March, 5, 2015, Lausanne--スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームは初めて、粒子と波の両方で光の振る舞いを捉えることに成功した。
 量子力学では、光は同時に粒子、波の両方の振る舞いが可能である。しかし光のこの両方の性質を同時に捉えることができる実験はこれまでになかった。根本的に異なる実験アプローチによってEPFLの研究チームは初めて、光の振る舞いを波と粒子の両方で捉えた。
 UV光が金属表面に当たるとき、電子が飛び出す。アルバート・アインシュタインはこれを「光電」効果と説明し、波と考えられていた光も粒子のストリームであると提案した。多様な実験で光の粒子と波の両方の振る舞いを観察することに成功したが、両者を同時に観察することはできていなかった。
 EPFLのFabrizio Carboneの研究チームは、光の撮像に電子を使う実験を行った。研究チームは初めて、光が波と粒子のストリームの両方としての振る舞いを同時に捉えることができた。
 実験では、レーザパルスを微小な金属ナノワイヤに照射する。レーザがナノワイヤの荷電粒子にエネルギーを与え、粒子が振動する。光が、ハイウエイの車のように、可能な2方向にこの微小なナノワイヤに沿って伝搬する。反対方向に伝搬する光が相互に出遭うと、新たな波を形成し、それはその場に定在しているように見える。この定在波は実験の光源となり、ナノワイヤの周囲に放射状に広がる。
 これが実験の仕掛けが現れるところだ。研究チームは、ナノワイヤに近くの電子ストリームを撮り、光の定在波を撮像するためにそれを利用した。電子がナノワイヤに閉じ込められた光と相互作用すると、電子は加速するか減速するかのいずれかとなる。このスピードの変化が起こる位置を撮像するために超高速顕微鏡を利用し、研究チームは定在波を可視化することができた。これは光の波の性質のフィンガープリントの役割を果たす。
 この現象は光の波の性質を示すが、同時に粒子の側面も示している。電子が光の定在波近くを通過するとき、電子は光の粒子、つまりフォトンを「ヒット」する。上に見たように、これは電子のスピードに影響を与え、電子を加速したり減速したりする。このスピードの変化は、電子とフォトン間でエネルギー「パケット」(量子)の交換として現れる。まさしく、このエネルギーパケットが起こるということが、ナノワイヤの光が粒子として振る舞っていることを示している。
 「この実験は、初めて、量子力学、つまりその矛盾する性質を直接撮影できることを示している」とFabrizio Carbone氏はコメントしている。「このようなナノスケールで、量子現象を撮像し制御できることは、量子コンピューティングへの新たな道を開くことになる」と同氏は説明している。