March, 2, 2015, San Francisco--imecは、2015 ISSCC(International Solid State Circuits Conference)において、4×20Gb/s波長多重(WDM)ハイブリッドCMOSシリコンフォトニクストランシーバのデモンストレーションを行った。
これは、ティンダル国立研究所(Tyndall National Institute)、ルーヴェン大学(KULeuven)、ゲント大学(Ghent University)と共同で行ったものであり、同トランシーバは、コスト効率の優れた、高密度シングルモード光ファイバリンクに道を開くものであるとimecは説明している。
ハイブリッドCMOSシリコンフォトニクストランシーバは、シングルモード光ファイバ(SMF)でデータの送受信を行うもので、次世代のデータセンタ接続で重要な役割を果たすと見られている。既存のCMOS製造と3Dアセンブリインフラ活用により、ハイブリッドCMOSシリコンフォトニクスプラットフォームは、高集積密度、省エネ、高歩留まり、低い製造コストを可能にする。WDM機能と組み合わせることで、拡張性の高いシングルモード光トランシーバを実現することができ、次世代クラウドインフラにおける増大するインタコネクト帯域を満たすことができる。
imecのCMOSシリコンフォトニクストランシーバは、シリコンフォトニクス(SiPh)チップ、ローパワー40nm CMOSチップとのフリップチップ集積で構成されている。SiPhチップは、imecの25Gb/sシリコンフォトニクスプラットフォーム(iSiPP25G)上に作製されており、4個のコンパクトな25Gb/sリング変調器アレイで構成され、共通バス導波路に結合されてWDM伝送ができるようになっている。受信側では、300GHzチャネル間隔のリングベース、低損失(2dB)DEMUXフィルタを実装し、さらに4個の25Gb/s Ge導波路フォトディテクタに接続されている。リング変調器とリングWDMフィルタの両方とも、高効率集積過熱素子を含んでおり、共振波長を所望のWDMチャネルに調整することができるようになっている。CMOSチップには、4個の差動20Gb/sリング変調器ドライバと4個の20Gb/sトランスインピーダンスアンプリファイア(TIAs)が含まれている。12chs SMFアレイがチップ上のグレーティングカプラアレイにパッケージされており、これにはティンダル国立研究所で開発されたプレーナアプローチが用いられている。
全4WDMチャネルと2chs動作の両方において、20Gb/sループバック実験でエラーフリー動作が実証された。トランシーバの動的電力消費には、CMOSドライバとレシーバが含まれており、これは2pJ/bit以下だった。WDMチャネル波長の温度チューニングの消費電力は、チャネルあたりわずか7mW/nm。トランシーバは、より高度なCMOS技術を採用することで、さらにWDMチャネルを増やし広帯域容量に拡張することができ、今後のデータセンタインタコネクトに向けて100GbE、400GbEさらにそれを得る光モジュールが可能になる。