March, 5, 2025, Genève--STMicroelectronics(ST)は、データセンタやAIクラスタにおける光インタコネクトの高性能化を実現する次世代の独自技術を発表した。
AIコンピューティングのニーズが指数関数的に増加すると、コンピューティング、メモリ、電源、およびそれらをつなぐ相互接続全体のパフォーマンスとエネルギー効率に課題が生じる。STは、2025年後半から800Gb/sおよび1.6Tb/s光モジュール向けに拡大が予定されている新しいシリコン・フォトニクスおよび次世代BiCMOS技術により、ハイパースケーラや光モジュール・プロバイダがこれらの課題を克服できるよう支援している。
データセンタの相互接続の中心には、数千、さらには数十万の光トランシーバがある。これらのデバイスは、光信号を電気信号に、またはその逆に変換して、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)コンピューティングリソース、スイッチ、およびストレージ間のデータフローを可能にする。これらのトランシーバの内部では、ST独自の新しいSiPho(Silicon Photonics)技術により、複数の複雑な部品を1つのチップに集積することが可能になるほか、ST独自の次世代BiCMOS技術により、AIの成長を支える鍵となる超高速かつ低消費電力の光コネクティビティが実現する。
「AIの需要により、データセンタエコシステム内での高速通信技術の採用が加速している。STが電力効率に優れた新しいSiPh技術を導入し、それを新世代のBiCMOSで補完する絶好の機会である。これにより、顧客はハイパースケーラ向けの800Gbps/1.6Tbpsソリューションが可能にする光インタコネクト製品の次の波を設計することができる。どちらの技術もヨーロッパで300mmプロセスで製造され、顧客に光モジュール開発戦略の2つの主要コンポーネントに対して独立した大量供給を提供する」とSTMicroelectronicsのマイクロコントローラ・デジタルIC およびRF製品グループ担当Remi El-Ouazzaneは、コメントしている。「この発表は、当社のPIC製品ファミリーの第一歩であり、バリューチェーン全体にわたる主要パートナーとの緊密な協力によるものである。当社は、今日のプラガブル光学部品であれ、将来の光I/Oであれ、データセンタおよびAIクラスタ市場向けのシリコンフォトニクスおよびBiCMOSウェーハの主要サプライヤーになることを熱望している。」
「AWSは、STマイクロエレクトロニクスと協業し、人工知能(AI)を含むあらゆるワークロード間の相互接続を可能にする新しいシリコン・フォトニクス技術(SiPho)であるPIC100を開発できることを嬉しく思う。AWSは、PIC100を光学およびAI市場向けの主要なSiPho技術にするためのSTMicroelectronicsの実証済みの能力に基づいて、STMicroelectronicsと協力している。われわれは、これがSiPhoにとって解き放たれる潜在的なイノベーションに熱心に取り組んでいる」と、Amazon Web ServicesのVP/Distinguished Engineer、Nafea Bsharaはコメントしている。
「データセンタ市場向けのプラガブルオプティクスは大幅な成長を遂げており、2024年には70億ドルと評価されていた」と、LightCountingのCEO/チーフアナリストDr.Vladimir Kozlovは話している。「この市場は、2025~2030の間にCAGR 23%で成長し、この期間の終わりには240億ドルを超えると予想されている。シリコンフォトニクス変調器をベースにしたトランシーバの市場シェアは、2024年の30%から2030年までに60%に増加すると予想されている」。