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ナノスケールミラードキャビティ、量子メモリを増幅し接続

February, 17, 2015, Apton--原子スピンの制御をベスにしたコンピューティングシステムという考えが新しい研究によって勢いづいている。研究は、MIT、米国エネルギー省(DOE)ブルックリン国立研究所の研究チームが行っている。
 ダイヤモンド結晶の不純物原子の周りに光をトラップするための微小「ミラー」を造ることで研究チームは、原子の電子スピン状態についての情報をフォトンが伝送する効率を飛躍的に向上させた。電子スピン状態は、量子情報蓄積に使用することができる。そのようなスピン-フォトンインタフェースは離れた量子メモリの接続に不可欠であると考えられている。これは量子コンピュータや長距離暗号システムに道を開くことができる。研究チームは、200ミリ秒(ms)以上のスピン-コヒレンス時間、コンピュータ動作との関連で長い時間を実証した。長いコヒレンス時間は、量子コンピューティングシステム、長距離暗号ネットワークにとって極めて重要である。
 この研究に言うメモリ素子はダイヤモンド窒素欠陥(NV)中心の電子のスピン状態。NVは、ダイヤモンドの炭素格子内の結晶欠陥に隣接する、炭素原子の代わりの窒素原子。このNV中心の電子スピンの上方向、下方向を使って情報をエンコードすることができる。古典的なコンピュータで多数の電子の電荷の使い方で”0″, “1”をエンコードするのに類比的である。
 NVのスピンの方向は、通常はランダムであるが、研究チームはマイクロ波を使ってスピンを操作することができる。”0″状態は、”1″状態よりも蛍光が明るいので、その状態は光学顕微鏡で計測可能。
 要領はNV中心の電子のスピンを、ロジックゲート動作が可能なほどに長く安定したスピン状態に維持し、実際のコンピューティングネットワークを実現するために個々のメモリ素子の情報を転送できるようにすること。
 研究リーダー、Dirk Englund氏によると、フォトンを介して電子のスピン状態の情報を転送することはすでに可能になっているが、フォトンと電子の相互作用は、通常は非常に弱いので効率が問題になる。「フォトンとNV間の相互作用を強めるために、光キャビティ、フォトンのトラップをNVの周囲に造った」。
 このキャビティを造ったのはMIT院生、Luozhou LiとCFNのMing Lu。キャビティは、ダイヤモンド層で構成されており、NV中心の不純物原子の周りに気密配置されている。個々の層間の境界にわずかな反射があり、その反射が、鏡で埋まったファンハウスの反射のように、発展する。このナノスケールのキャビティに入ったフォトンは前後に10000回跳びはね、NV中心の電子スピン状態とフォトンとの間で情報伝達の効率が向上する。
 CFNの研究者、Mircea Cotlet氏は、「NV中心と光共振器キャビティを結合することでNVスピンのコヒレンス時間、つまりメモリのの持続性を維持できるようだ」と説明している。
(詳細は、www.bn1.gov)