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ロチェスタ大学、光の偏向から実験的にメビウス帯構造を作製

February, 10, 2015, Rochester--ロチェスタ大学(University of Rochester)の研究チームは、カナダ、ヨーロッパ、米国の研究者と協力して実験的に光の偏向からメビウスの帯を作製し、光の電磁場がこの形状を帯びるという理論予測を確認した。
 メビウスの帯は、一切れの紙で作るのは簡単だが、これが自然に起こることの発見は別の問題になる。
 メビウスの帯が光の偏向状態から作れることの実証は光偏向の根本的理解を進める上でも、マイクロスケール、ナノスケールで複雑な構造を生成するためにそれが使えるという理由でも興味深い。
 光は電磁波であるので、それ自体が電磁場を持つ。電磁場の電気成分が振動する方向は一般に光の偏向と言われている。
 実験では、このメビウスの帯を作るために研究チームは、特殊な、むしろ風変わりな光ビーム、強く集束したレーザビームを用いた、研究チームはこれを構造化された光と呼んでいる。構造化された光は、光ビームの中で極めて特殊な偏向と強度分布を持っている。したがって電磁場は、ビームの異なる部分で別々に振動する。振動は、標準的なレーザビームとは違い、光が進む方向に対して常に直角と言うわけではない。強く構造化されたこのビームでは、3次元全てに電気の成分が現れる。さらに、ビームの異なる部分は、異なる方向に電場成分を持つことになる。
 構造化されたビームを作り、その偏向を計測するために研究チームは、一連の光学ツールを使用した。レーザ光は先ず、q-プレートを通る、これは事実上液晶レンズであり、NaplesのLorenzo MarrucciとEbrahim Karimiが開発した。これが構造化されたビームを作る。
 偏向を撮像するために研究チームはナノ粒子を用いた。この粒子は、ビームの横断面にわたりスキャンされ、研究チームはそれが散乱させた光を観察した。光がどのように散乱されるかを決めることによって、また干渉計として効果的に使うことによって、焦点で光ビームの偏向が検出され、その結果メビウスの帯が現れる。この手順はエアランゲン(Erlangen)のGerd LeuchsとPeter Banzerが開発した。
 メビウスの帯は、レーザビームの軸周りの円形パスの各点で電磁場がどのように方向付けられるかを示している。レーザビーム構造の点に応じて、偏向のメビウスの帯が3/2または5/2の捻れを持つことを研究チームは観察した。これらの帯は、ビームが非常に小さな、サブ波長スケールで持つことができる豊かな構造を示している。また、ここで用いた計測技術は、他の種類の光ビームのナノ構造をプローブする目的でも非常に有望である、ロチェスタ大学光学・物理学教授、Robert W. Boyd氏は説明している。