APACの光ファイバ市場、2030年までに50億6860万ドル

December, 11, 2024, San Francisco--Grand View Research, Inc.の新しいレポートによると、アジア太平洋(APAC)地域の光ファイバ市場規模は、2025～2030年にかけてCAGR 8.8%で成長し、2030年までに50億6,860万ドルに達すると予想されている。
この地域では、インターネットの普及が急速に進んでおり、より多くの人々がインターネットにアクセスできるようになった。個人や企業がより高速で信頼性の高い接続を必要とする中、光ファイバはこれらの要件を満たすための好ましい選択肢として浮上している。電子商取引プラットフォーム、オンラインストリーミングサービス、デジタルコンテンツ消費の成長は、高速インターネットの需要増加に貢献している。クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、IoTデバイスの急増により、この地域のデータセンタ需要が高まっている。

光ファイバは、サーバ、ストレージシステム、ネットワーク機器間の高速データ転送、低遅延、信頼性の高い接続を可能にすることで、データセンタのインフラストラクチャをサポートする。光ファイバは低遅延、つまりデータ伝送の遅延が最小限に抑えられる。たとえば、データセンタソリューションのグローバルプロバイダDigital Realtyは、接続ニーズに光ファイバインフラストラクチャを活用するデータセンタを香港で運営している。このデータセンタは、コロケーションサービス、信頼性の高い相互接続、および地域の企業への高速ネットワークアクセスを提供している。アジアの通信事業者や政府は、高速接続に対する需要の高まりに対応し、増大するデータセンタの要件に対応するために、光ファイバネットワークの拡大とアップグレードに多額の投資を行ってきた。

企業や個人は、堅牢な光ファイバインフラストラクチャを確保することで、高度なテクノロジーを活用し、様々なセクターでデジタルトランスフォーメーションを推進できる。
シンガポール政府は、情報通信メディア開発庁(IMDA)を通じて、国の光ファイバインフラストラクチャを促進および強化するための様々な取組を開始した。たとえば、Next Generation Nationwide Broadband Network(NGNBN)イニシアチブは、シンガポール全土の家庭、企業、政府機関に超高速光ファイバ接続を提供することを目的としている。
この地域には地理的に分散した国が多数あり、これらの国をつなぎ、国際的なデータ伝送を可能にするために海底光ファイバケーブルが不可欠である。

大陸間データ接続と国際通信の需要が高まっており、海底光ファイバケーブルの展開は今後も拡大し続けると予想されている。太平洋を横断する海底光ファイバケーブルは、APAC地域と北米をつなぎ、2つの大陸間での高速データ伝送を可能にしている。TPE(Trans-Pacific Express)、AAG(Asia-America Gateway)、PC-1(Pacific Crossing)などの海底ケーブルは、大陸間接続をサポートし、国際的なデータ伝送に対する需要の高まりに対応している。

APAC地域の光ファイバ市場レポートのハイライト
・マルチモード(MMF)タイプセグメントは、2024年に52.5%の最高の収益シェアを占め、予測期間中もその地位を維持すると予想される。この地域では、クラウドコンピューティング、ビデオストリーミング、およびその他の帯域幅を大量に消費するアプリケーションにより、より高い帯域幅容量に対する需要が生じている。その結果、より高いデータレートをサポートし、増大する帯域幅のニーズに対応する高度なMMFソリューションの採用が進んでいる。

・この地域における光ファイバネットワークの展開と拡大は、経済成長に貢献している。これにより、企業はより高速で信頼性の高いインターネット接続にアクセスできるようになり、市場での生産性、イノベーション、競争力が向上する。

・光ファイバは、拡張性と、将来のより高い帯域幅要件をサポートする能力を提供する。データ需要が増大し続けているので、この地域の光ファイバネットワークは、インフラストラクチャを大幅にアップグレードすることなく、企業、政府、個人の増大するニーズに対応できる。

・APAC地域は、国際的な接続のために海底光ファイバーケーブルに大きく依存している。これらのケーブルは、地域全体の国々をつなぎ、大陸間のシームレスなデータ伝送を可能にし、グローバルなコミュニケーション、貿易、コラボレーションを促進する。