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ファイバ伝送後の光信号分析に深層学習を利用

November, 25, 2024, Washington--チリ、Universidad de Concepciónの研究チームは、ファイバ伝送後の重要な光信号特性を特定できる、複雑性の低いハイブリッド畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を開発した。この信号監視の進歩により、ネットワークは変化する要求に自律的かつ迅速に適応することが可能になり、長距離にわたる大量のデータ伝送をより効率的に管理できるようになる。

チリのコンセプシオン大学のGabriel Saavedraは、2024年11月10日~14日までメキシコのプエルトバジャルタで開催されるLatin America Optics and Photonics Congressでこの研究を発表した。

「この研究は、光ネットワークを介して伝送される信号の品質を推定するための高精度のソリューションを提供する。これは、運用中の光ネットワークを最適化するための重要な指標であり、より多くのユーザの接続や既存のユーザのデータレートの向上を可能にする」とSaavedraは説明している。

データトラフィックが増加し続けているので、ネットワークはより複雑で高速な伝送を処理する必要がある。光ネットワークが変化する需要に動的に適応し、輻輳を防ぎ、帯域幅の使用を最適化し、シームレスな接続を維持できるようにするには、光ネットワークの高速で自律的な再構成が必要。ただし、再構成の決定を行うには、ネットワークを通過する光信号の変調形式と信号品質を監視する信頼性の高い方法が必要になる。

この課題に対処するために、研究チームは、光信号の変調形式と信号品質の重要な指標である信号対雑音比(SNR)を分析するための低複雑性CNNを開発した。複雑性の低い CNN は、使用するレイヤー数が少なくて済むため、計算負荷が軽減される。新しいCNNは、コヒレントレシーバの出力で形成されたコンステレーションダイアグラム(変調方式のグラフィカル表現)の画像を分類するために使用された。

ハイブリッドCNNモデルを開発するために、研究チームはシミュレーションデータと実験データの両方を使用して、受信したコンステレーションのデータセットを生成した。モデルが様々な入力にうまく適応し、トレーニング以外の様々なタイプの画像に一般化できることを示した後、チームはコンステレーションを分類する能力をテストした。その結果、信号の変調形式とSNRを推定するための全体の精度は91.38%、平均誤差は0.83dBと報告されている。

「この研究の次のステップは、精度と処理速度をさらに向上させることだ。この後、このソリューションを既存の機器やインフラストラクチャに統合する方法を検討する」(Saavedra)。