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NTTとNEC、エンドツーエンド光接続時の波長を有効活用する長距離光伝送技術を確立

November, 18, 2024, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)と日本電気株式会社(NEC)は、IOWN オールフォトニクス・ネットワーク(All-Photonics Network、「APN」)の適用エリア拡大に向けて必要となる波長アダプタ機能を有した光ノードシステムを開発し、同光ノードシステムが複数回の波長変換を行いながら長距離伝送可能であることを実証した。将来的には、この波長アダプタ機能を有した光伝送システムをAPN装置として実現することが期待される。

技術のポイント
① Photonic Exchange
従来の光ノードシステムは、接続先に合わせて光パスの方向を物理的に切り替えるクロスコネクト機能や、ネットワークに光パスを出し入れする機能を有していた。Photonic Exchangeではさらに、接続先の未使用な波長に合わせて波長を適用させる波長アダプタ機能を具備する。波長アダプタ機能を長距離なエンドツーエンド光パスに適用するためには、波長変換による信号影響を抑制する必要がある。そのため、適用する波長変換方式の物理現象を踏まえて信号品質を推定し、波長変換による信号影響を抑制した光ノードシステム構成を設計した。これにより、エリアごとの使用されていない波長を有効活用した長距離のエンドツーエンド光パスの提供に貢献する。

② OAO型波長変換器
OAO型波長変換器は、Photonic Exchangeの波長アダプタ機能を実現するために必要となる、光パスの波長を任意の波長に変換することが可能。従来の波長変換手法では、電気デジタル信号処理部分に起因した遅延や揺らぎが生じていた。OAO型波長変換器は、光信号から電気アナログ信号への変換に留め、電気デジタル信号へ変換することなく波長を変換することが可能。これまでデジタル信号処理で生じていた遅延や揺らぎをなくすことができることから、低遅延かつノージッタなエンドツーエンド光パスの特徴を損なわずに光パスの波長を変更することができる。

研究成果の一部は、2024年11月25日~29日に開催されるNTT R&D FORUM 2024 ―IOWN INTEGRALに展示予定である。

(詳細は、https://group.ntt/jp)