September, 3, 2024, NY--マサチューセッツ大学アマースト校(University of Massachusetts Amherst)の新しい研究によると、ロボットが自分のチームを作成し、自発的にチームメイトを待つようにプログラミングすると、タスクの完了が速くなり、製造、農業、倉庫の自動化が向上する可能性がある。
この研究は、IEEE International Conference on Robotics and Automation 2024でBest Paper Award on Multi-Robot Systemsのファイナリストに選ばれた。
「すべての仕事をこなせる単一の強力なヒューマノイドロボットを作りたいのか、それとも協力できるロボットのチームを作りたいのかについては、長い議論の歴史がある」と、研究著者の1人で、マサチューセッツ大学アマースト校(UMass Amherst)マニング情報コンピュータサイエンス学部の准教授、人間中心ロボティクス研究所の所長であるHao Zhangは言う。
製造現場では、ロボットチームは各ロボットの能力を最大限に引き出すため、コストを抑えることができる。そこで問題となるのは、多様なロボットをどのように調整するかということだ。固定されているものもあれば、可動式のものもある。重い材料を持ち上げることができるものもあれば、小さな作業に適したものもある。
その解決策として、Zhangと同氏のチームは、Learning for Voluntary Waiting and Subteaming(LVWS)と呼ばれる、ロボットのスケジューリングのための学習ベースのアプローチを作成した。
「ロボットにも人間と同じように大きな課題がある。例えば、1台のロボットでは持ち運べない大きな箱がある。このシナリオでは、複数のロボットが協力してそれに取り組む必要がある」(Zhang)。
もう1つの行動は、自発的に待つこと。「ロボットが積極的に待てるようにしたい。なぜなら、すぐに利用できる小さなタスクを常に実行するという貪欲な解決策を選ぶだけでは、大きなタスクが実行されないこともあるからだ」(Zhang)。
LVWSアプローチをテストするために、チームは6台のロボットにコンピュータシミュレーションで18のタスクを与え、LVWSアプローチを他の4つの方法と比較した。このコンピュータモデルには、シナリオを最速の時間で完了するための既知の完璧なソリューションがある。研究チームは、シミュレーションを通じて様々なモデルを実行し、各方法がこの完璧な解と比較してどれだけ悪いかを計算した。これは、準最適性として知られる尺度である。
比較方法は、11.8%から23%が準最適の範囲だった。新しいLVWS法は0.8%が準最適だった。「つまり、このソリューションは、可能な限り最善の解決策または理論的な解決策に近い」と、この論文の著者、Human-Centered Robotics Labのコンピュータサイエンスの博士課程の学生Williard Joseは説明している。
ロボットを待たせることで、チーム全体がどのように速くなるのか。 次のシナリオを考えてみる: 3 台のロボットがあり、そのうちの 2 台はそれぞれ 4 ポンドを持ち上げ、もう 1 台は 10 ポンドを持ち上げることができる。小型ロボットの1台は別のタスクで忙しく、移動が必要な7ポンドの箱がある。
「その大きなロボットがそのタスクを実行する代わりに、小さなロボットが他の小さなロボットを待ってから、その大きなロボットが一緒にその大きなタスクを実行する方が有益である。なぜなら、その大きなロボットのリソースは、別の大きなタスクを実行するのに適しているからだ」(Jose)。
そもそも最適解を導き出すことができるのなら、なぜロボットにスケジューラが必要になるのか。「その正確なソリューションを使用する際の問題は、非常に長い時間がかかる計算だ。ロボットやタスクの数が増えれば、指数関数的に増える。妥当な時間で最適な解決策を得ることはできない」(Jose)。
100タスクを使用してモデルを見ると、正確な解を計算するのが難しかったため、比較モデルの23.05〜25.85タイムステップと比較して、チームの方法は22のタイムステップでタスクを完了したことがわかった。
Zhangは、この取り組みが、特に規模の問題が問題となる際に、これらの自動化ロボットチームの進歩を促進するのに役立つことを望んでいる。例えば、一戸建て住宅の小さな設置面積には、1台のヒューマノイドロボットの方が適しているかもしれないし、特殊なタスクを必要とする大規模な産業環境には、マルチロボットシステムが適している、と同氏は話している。
(詳細は、https://www.umass.edu)