September, 2, 2024, つくば/名古屋--産業技術総合研究所(産総研)電子光基礎技術研究部門 布村正太 上級主任研究員らは名古屋大学 低温プラズマ科学研究センターと共同で、半導体素子の劣化につながる微細加工ダメージの定量評価に成功した。
超微細加工により高度に半導体素子が集積された半導体チップは膨大な情報量の高速演算処理に適しているため、クラウドのサーバなど情報処理機器で広く利用されている。そこで用いられるシリコントランジスタは素子構造の微細化により性能の向上が図られているが、微細加工のために用いられるプラズマ加工プロセスによるトランジスタ内部へのダメージが素子性能を劣化させるという問題があった。プラズマダメージは様々なメカニズムで発生するため、ダメージの修復手法の確立も不十分だった。
今回、シリコン太陽電池の研究開発分野で広く用いられる手法を用いて、シリコン表面近傍のダメージ量を簡便かつ短時間に定量評価することに成功した。
今後、プラズマダメージの抑制技術や完全修復技術を開発し、半導体チップの性能と信頼性の向上に貢献する。
この技術の詳細は、2024年7月27日に「Applied Surface Science」に掲載された。
(詳細は、https://www.aist.go.jp)