August, 26, 2024, 東京--三菱電機株式会社は、次世代の光ファイバ通信速度800Gbpsや1.6Tbpsに対応可能な、データセンタ向け光トランシーバに搭載される受信用光デバイスの新製品として、「800Gbps/1.6Tbps光ファイバ通信用200Gbps pin-PDチップ」のサンプル提供を10月1日に開始する。
受信用の光デバイスを初めてラインアップし、既存の送信用光デバイスと合わせ、光トランシーバの通信容量拡大を実現し、データセンタ内通信の高速・大容量化に貢献する。
IoT技術の発展を背景に、ネットワークに接続される端末の増加に加え、高解像度映像ストリーミングや生成AI技術の利用が拡大するなど、データ通信量が飛躍的に増加していることで、ネットワークの高速化や大容量化がこれまで以上に求められている。特に、市場が急拡大しているデータセンタでは、従来の光ファイバ通信速度400Gbpsから次世代の800Gbpsや1.6Tbpsへの移行が進んでおり、生成AI用演算機器のデータ通信経路を切り替えるスイッチを構成する光トランシーバに高速・大容量通信が求められている。
一方、光トランシーバは、送信用の光デバイスでは次世代の800Gbpsや1.6Tbpsへ対応する製品が市場投入されているのに対して、受信用の光デバイスにおいては、性能を満たす製品が少ないという課題があった。
三菱電機は、光トランシーバに搭載される送信用の光デバイスでは「200Gbps(112Gbaud PAM4)EMLチップ」を2024年4月より量産しているが、今回新たに、受信用の光デバイス「200Gbps pin-PDチップ」のサンプル提供を開始する。長年の光デバイスの設計・製造により培ったノウハウを活かし、裏面入射型構造と凸レンズ集積構造の採用で光電変換領域を可能な限り小さくしたことで、高速動作を実現したPDチップを新開発した。光トランシーバ内に同チップを4つ搭載することで、1台の光トランシーバで800Gbps、8つ搭載することで1.6Tbpsの通信が可能となり、データセンタ内通信の高速・大容量化に貢献する。また、このPDチップは、凸レンズ集積構造の採用とフリップチップ実装に対応することで、光トランシーバの組み立て作業の効率化や製造コスト削減に寄与する。
(詳細は、https://www.mitsubishielectric.co.jp)