ポケットサイズの発明、有害物質の検出能力を変革

August, 1, 2024, College Station--Texas A&M Universityの研究によると、人間の目には見えない薬物、化学物質、生体分子の同定と検出は、携帯電話のカメラと強力なレーザ化学分析法であるラマン分光計を組み合わせた技術によって可能になる。

ハイキング中に食べても安全なベリーやキノコを知ったり、従来は特定に数日かかっていた病原体を病院で迅速に検出したりすることを想像してみる。

テキサスA&M大学の電気・コンピュータ工学科の教授、Dr. Peter Rentzepisは、携帯電話ベースの携帯型ラマン分光計システムの特許を保有している。Rentzepisの発明により、ユーザは、特にサイズと電力の必要性のために実験室の分光計を使用できない遠隔地で、現場で潜在的に有害な化学物質や材料を非侵襲的に識別することができる。

この新しいラマン分光計システムは、レンズ、ダイオードレーザ、回折格子(分析のために光を散乱させる小さな薄い正方形の表面)を携帯電話のカメラと組み合わせてラマンスペクトルを記録する。スペクトルのピークは、物質の強度と位置に応じて、物質の化学組成と分子構造に関する詳細なデータを提供する。

この装置を使用するには、携帯電話を透過回折格子の後ろに置き、カメラを回折格子に向け、ラマンスペクトルを記録する準備をする。レーザは、スライド上の細菌などの未知の物質のサンプルにビームを照射する。カメラはスペクトルを記録し、適切な携帯電話アプリケーション/データベースと組み合わせると、このハンドヘルド機器は現場での迅速な材料識別を可能にする。

以前は、未知の物質を同定するプロセスには、生物学的物質の広範なサンプリングと実験室での分析が必要であり、数時間から数日かかることもあった。従来のラマン分光計は数千ドルもするが、Rentzepisの発明は大幅に低コストで実現でき、材料を非常に速い速度で同定することができる。

「これは、特定のシステム、材料、またはサンプルの組成を知ることができる小さなデバイスである。ポケットに入れておいても大丈夫だ」と、同氏は話している。