ビル組込PV、2030年までに898億ドル

July, 25, 2024, San Francisco--Grand View Research, Inc.の新しいレポートによると、世界の建物一体型太陽光発電市場規模は、予測期間中にCAGR 21.2%で成長し、2030年までに898億ドルに達する見込である。
各国の太陽光発電(PV)設置能力の急拡大は、再生可能エネルギー源の需要の増加と相俟って、世界中の市場の成長を促進すると予想されている。過去10年間の消費者の意識の高まりと製品の優れた性能が相俟って、主にビル一体型太陽光発電(BIPV)の市場を牽引してきた。

2023年の市場シェアは結晶シリコンセグメントが70.9%。2023年は結晶シリコンセグメントが支配的なセグメントだったが、これは結晶シリコンBIPVの高強度と悪天候に対する優れた耐性に起因している。このセグメントは、結晶シリコンセルの価格低下に後押しされており、今後数年間で設置コスト低下が見込まれている。

また、ドイツ、イタリア、フランス、英国、米国、中国、日本、インドなどの国々が、温室効果ガス(GHG)排出量を削減するために指定された京都議定書に対して一方的に義務を負っていることに加えて、有利な政府法制も、今後数年間で市場の成長を促進すると予想されている。

アプリケーションでは、屋根の設置が2023年の市場シェア66.9%で市場をリードした。建物の屋根と一体化した太陽光発電は、屋根表面への光の入射が改善されるため、効率を示すことが知られている。インターロックタイルを使用した連動ルーフシステムの開発は、高い変換効率と建物一体型屋根の大幅な軽量化を提供し、予測期間中に市場を牽引する可能性がある。

エンドユーザー別では、住宅セグメントが2023年のBIPV市場をリードし、34.7%の市場シェアを占めた。住宅施設におけるBIPVの需要は、消費者の間で発電のための再生可能エネルギー源の使用に関する意識向上により、増加する可能性がある。さらに、ドイツとフランスの住宅地における統合ソリューション採用増は、予測期間中に製品需要を促進すると予想されている。

BIPV設備の需要は、運用効率の改善が見られることによって促進される見込である。さらに、環境に優しいエネルギー源の採用に対する多国籍企業の親和性の高まりは、BIPV市場にプラスの影響を与える可能性がある。

ビル一体型太陽光発電市場レポートのハイライト
・屋根設置セグメントは、市場全体の収益シェアの66.69%を占めている。建物一体型屋根の需要は、優れた製品の開発により、予測期間中に増加すると予想されている。

・住宅セグメントは、2023年に34.7%の最大の収益シェアで市場をリードした。消費者の間で、発電のための再生可能エネルギー源の使用に関する意識が高まっているためである。

・2023年現在、欧州は市場全体で約37.1%の収益シェアを占めている。ドイツやイタリアなどの国では、太陽エネルギーの使用がますます重視されており、BIPVの採用率が高くなり、予測期間中の業界の成長が促進されると見込である。