新しいフォトン形状が先進光学技術に扉を開く

July, 17, 2024, Enshede--オランダのトゥエンテ大学(UT)の研究者は、最近の論文で、光を構成する素粒子に関する重要な洞察を得た。これらの粒子、フォトンは、原子を取り巻く電子よりも驚くほど多様な「振る舞い」をするが、制御もはるかに簡単である。これらの新しい知見は、スマートLED照明から、量子回路で制御される新しいフォトニック情報、高感度ナノセンサまで、幅広いアプリケーションがある。

原子では、電子と呼ばれる極小の素粒子が軌道と呼ばれる形で原子核の周りの領域を占めている。これらの軌道は、空間の特定の領域で電子を見つける確率を与える。量子力学は、これらの軌道の形状とエネルギーを決定する。電子と同様に、研究者はフォトンが見つかる可能性が最も高い空間の領域を軌道で記述する。

「どんなワイルドな形をデザインしても」
ＵTの研究チームは、これらの光軌道を研究し、特定の材料を慎重に設計することで、様々な形状と対称性を持つこれらの軌道を作成、制御できることを発見した。これらの成果は、先端光技術や量子コンピューティングへの応用が期待されている。

筆頭著者Kozonは、「教科書的な化学では、電子は常に軌道の中心にある小さな原子核の周りを周回している。したがって、電子軌道の形状は完全な球から大きく逸脱することはできない。フォトンを使用すると、軌道は、設計された空間配置で異なる光学材料を組み合わせることによって、設計したワイルドな形状を持つことができる。

設計が簡単
研究チームは、フォトンが小さな細孔(フォトニック結晶)からなる特定の3Dナノ構造に閉じ込められたときにフォトンがどのように振る舞うかを理解するために、計算研究を行った。これらの空洞は意図的に欠陥を持つように設計されており、フォトニック状態を周囲の環境から分離する上部構造を作り出す。物理学者VosとLagendijkは、「ナノテクノロジーの豊富なツールボックスを考えると、原子を改変して新しい電子軌道や化学を実現するよりも、新しいフォトニック軌道を持つ気の利いたナノ構造を設計する方がはるかに簡単だ」と熱く語っている。

高度な光学技術
フォトニック軌道は、効率的な照明、量子コンピューティング、高感度フォトニックセンサなどの高度な光学技術の開発に重要である。また、これらのナノ構造が、共振器量子電磁力学の応用に重要な光学状態の局所密度をどのように高めるかについても研究した。その結果、欠陥が小さい構造は、欠陥が大きい構造よりも大きなエンハンスメントを示すことがわかった。これにより、量子ドットを統合し、単一光子のネットワークを作成するのに適している。