May, 23, 2024, 東京--九州大学・最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)では、これまで新材料開発からデバイスの創製まで、有機半導体レーザに関する先駆的な研究開発に取り組んできた。現在、先端光機能分子の探索には、分子設計・合成と物性・デバイス特性評価の両面を統合した複雑なワークフローが必要となっている。
研究成果の要点
・有機光機能材料の開発には、分子設計・合成と物性・デバイス特性評価の両面を統合した複雑なワークフローが必要となるため、単一の研究室で構築するのは困難だった。
・研究では、有機薄膜固体レーザにおける最高レベルの光増幅機能を有する低分子をAIガイド下において発見することに成功した。
・開発された有機レーザ分子を基礎に、今後更なる低閾値材料の開発が期待される。
今回、米・加・英・日の5つのラボ(トロント大学、バンクーバ大学、イリノイ大学、グラスゴー大学、九州大学)が材料探索を加速するために協力し、トロント大学で開発された“自動運転ラボ”を使用して2ヶ月間の短期間で1,000個以上の分子を合成・評価し、21個の新しい高性能有機固体レーザ(Organic Solid-State Laser: OSL)材料を発見した。
研究は、JSPS科研費特別推進研究の支援のもとで行われ、2024年5月17日に米国科学雑誌「Science」のオンライン版で公開された。
(詳細は、https://www.kyushu-u.ac.jp)