May, 22, 2024, Nottingham--ネコの世話をロボットに任せるか? 新しい研究によると、ネコの世話をするには慎重に設計されたロボットだけでなく、ロボットが動作する環境や人間の相互作用も重要になる。
「Cat Royale」は、ノッティンガム大学のコンピュータ科学者とBlast Theoryのアーティストが共同で制作したユニークなコラボレーションで、アーティスト主導のプロジェクトの一環として、3匹のネコとロボットアームが1日6時間共存する特注の筐体を中心に、多種の世界を創造した。この導入は、2023年にオーストラリアのブリスベンで開催された世界科学祭で発表され、それ以来ツアーを続けており、その創造的な体験が評価され、Webby賞を受賞した。
研究論文「Designing Multispecies Worlds for Robots, Cats, and Humans」は、毎年恒例のComputer-Human Conference(CHI’24)で発表され、最優秀論文賞を受賞した。技術とその相互作用を設計するだけでは十分ではなく、技術が動作する「世界」の設計を考慮することも同様に重要であることを概説している。また、この研究は、故障からの回復、動物福祉、観客としての役割などの分野への人間の関与の必要性を強調している。
Cat Royaleは、ネコを幸せにするためのロボットアームを中心に、「ネズミ」のおもちゃを床に引きずり込んだり、羽根の「鳥」を空中に持ち上げたり、おやつをあげたりと、ネコたちを幸せにするアクティビティを提供した。次に、AIを訓練して、ネコが一番好きなゲームを学習させ、ネコの体験をパーソナライズできるようにした。
「一見すると、このプロジェクトは、ネコと遊ぶことでネコの家族の生活を豊かにするロボットを設計することである」と、研究を主導したノッティンガム大学のSteve Benford教授はコメントしている。
研究チームは、Blast Theoryと協力してCat Royaleを開発し、研究することで、ロボットの設計とネコとの相互作用に関する重要な洞察を得た。おもちゃを拾い上げ、ネコがワクワクするように展開し、それぞれのネコがどのゲームが好きかを学習するロボットを設計する必要があった。また、ネコとロボットが住む世界全体をデザインし、ネコがロボットを観察したり、こっそりとロボットに近づいたりするための安全な場所を提供し、ロボットが近づいてくるネコを見つける可能性が最も高いように装飾した。
つまり、ロボットの設計には、インテリアデザインだけでなく、エンジニアリングやAIも含まれるということである。愛する人の世話をするためにロボットを家に導入したい場合は、家を再設計する必要があるだろう。
ノッティンガム大学独自のCobotmaker SpaceでCat Royaleの研究ワークショップが開催され、関係者が集まり、ロボットの設計/ネコの福祉について考えた。
『Cat Royale』で学んだように、ネコ、ロボット、人間がすべてを占めるマルチスピーシーズシステムを作るには、ロボットを設計するだけでは不十分である。われわれは、動物のウェルビーイング(満足)を常に確保すると同時に、インタラクティブな導入が世界中の(人間の)観客を惹きつけるようにする必要があった。これには、筐体の設計、ロボットとその基盤となるシステム、ループ内の人間の様々な役割、そしてもちろんネコの選択など、多くの要素を考慮する必要があった(Eike Schneiders、同大学Mixed Reality ラボの暫定助教授)。