April, 23, 2024, 大阪--自然科学研究機構分子科学研究所/総合研究大学院大学の松井文彦教授、解良聡教授、自然科学研究機構分子科学研究所の萩原健太特任研究員(IMSフェロー)、中村永研技術職員、牧田誠二技術職員、大阪大学 産業科学研究所の菅滋正招へい教授、田中慎一郎准教授は、世界初となる2つのビームラインからの放射光を利用できる光電子運動量顕微鏡実験ステーションを分子科学研究所極端紫外光研究施設(UVSOR)で開発した。
既存の真空紫外光ビームラインBL7Uに分岐を新設することで、軟X線ビームラインBL6Uからの光が試料表面に斜入射で利用する光電子運動量顕微鏡実験ステーションで、BL7Uからの光も直入射で利用できるようになった。
この世界初の高性能装置により、①斜入射軟X線による高感度元素選択的測定、②直入射真空紫外光による高対称光電子分光測定が可能になった。特に、直入射配置での光電子分光は、現在利用できるのは、UVSORの本装置のみ。この高性能装置を駆使することで、物性をつかさどる電子のふるまいのより包括的かつ高精度な解析、特に、価電子帯軌道の解析に重要な進歩をもたらした。
研究成果は2024年4月15日にJournal of Synchrotron Radiation誌でオンライン公開された。
(詳細は、https://resou.osaka-u.ac.jp)