April, 16, 2024, 札幌/岡山--北海道大学電子科学研究所の渋川敦史准教授、三上秀治教授、岡山大学学術研究院医歯薬学域(薬)の須藤雄気教授、韓国科学技術院(KAIST)生物・脳工学科のMooseok Jang助教授らの研究グループは、超高速の光パターン照明手法の開発に成功した。
空間光変調器(Spatial Light Modulator、SLM)は、複雑なパタンの照明を可能とする電子デバイスで、例えばプロジェクタの表示デバイスとして、世界中で普及している。とは言え、SLMのパターン切り替え速度は最短でも50マイクロ秒(µs)程度にとどまるため、その性能はこれまで十分に生かされていなかった。
研究では、SLMの構成を根本的に見直し、独自開発の1次元SLMと、照明パターンを拡張する「すりガラス」を組み合わせることで、市販のSLMの約1,500倍高速な、0.03µsの切り替え速度を持つ超高速の光パタン照明手法を開発した。この超高速の光パタン照明手法は、例えば従来のSLMでは不可能な生命機能の光計測や光操作(光遺伝学)の高速化・大規模化や金属3Dプリンタなどの光加工の生産効率向上など、様々な分野での応用が期待される。
研究成果は、2024年4月8日(月)公開のNature Communications誌にオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.hokudai.ac.jp)