December, 24, 2014, Glen Allen--ナノマーケッツ(NanoMarkets)のレポート「量子ドットの市場機会:2015-2020」によると、量子ドット(QD)市場は、2015年の約4億1500万ドルから2020年には55億ドルに飛躍する。
ナノマーケッツは2014年をQDにとって突破の年と見なしている。量子ドットは初めて小型モバイルディスプレイに大きく浸透した。今では、今後のOLED技術にとって大きな脅威となる確固たる地位を確立している。
QDで強化されたLCDが市場に出てきたのは2013年、エネルギー消費を減らせること、無理のない価格で色域を強化できることが実証されている。また、QDは現行のLCD製造工程に組み込めることも示されている。この新しいレポートでは、2020年までにTV以外のディスプレイで使用されるQD材料の売上は11億ドルに達するとナノマーケッツは予測している。
一方、QDは現在、ほぼ全てのアプリケーションでOLED商用化に対する重大な挑戦となっている(韓国のディスプレイメーカーLGは、CES 2015展示会で、QD技術を利用した4K TVを紹介すると発表)。OLED TVは、数年前から試作しているが、市場に大したインパクトを与えることなく終わっている。同時に、QDは小型ディスプレイにも進出しているので、OLEDディスプレイが見つけられる既存市場と考えられてきた分野でもQDはOLEDディスプレイに対する相当な競合となっている。
太陽光や生物医学アプリケーションを含む他の分野でもQD利用で、かなりのR&D関心が続いている。最終的に、効率向上の方法を探しているソーラ産業でQDは役立つと考えられているが、ソーラ産業の低迷は、そのプロセスの障害なる可能性もある。QDサプライヤから生物医学アプリケーションに対する働きかけもあるが、ナノマーケッツは、この先10年で大きな市場を形成するかどうかについては懐疑的である。