March, 22, 2024, Pasadena--電気工学および応用物理学の助教授Alireza Marandiの最新の研究は、単一の連続ビームではなく、定常パルスで光を放射するモードロックレーザに関するものである。これらのパルスは、ピコ秒またはフェムト秒で数えられる非常に短く、このような短い時間で超高出力が可能である。モードロックレーザからのパルスは、連続的なレーザビームが引き起こす過度の熱を発生させることなく、ターゲットを絞った切断力を提供することにより、眼科手術など、多くの用途で使用されている。
モードロックとは、レーザの共振器を通過する光波の振幅と位相をロックすることである。モードロックが達成されると、これらの共振波は互いに協調して作用し、通常、着実にパルスするパターンを形成する。Marandiのチームは、レーザ共振器内の共鳴光パルス間に特定の結合を導入することで、モードロックレーザにトポロジカルな堅牢性を加えている。
結果として生じるトポロジカルな時間モードロッキングは、製造または環境ノイズ源から生じる欠陥や障害を許容できるレーザパルスパタンを作る。
「この基礎研究は、多くの応用が見込める。モードロックレーザでトポロジカルな挙動を実現することで、基本的に、ノイズに対してレーザの挙動をよりロバストにすることができる結び目を作り上げている。レーザが通常モードロックされており、それを振ると、全てがおかしくなる。ところが、レーザパルスをつなぎ合わせれば、システムを揺さぶることができ、少なくとも一定の範囲の揺れの間は、カオス的なことは何も起こらない」(Marandi)。
トポロジカルに保護されたモード同期レーザは、通信、センシング、およびコンピューティングアプリケーションで使用される、より優れた周波数コムの実現を可能にする。「周波数領域におけるモードロックレーザの出力は、周波数コム、つまり等距離の狭いスペクトルピークが多数ある。周波数コムは、通常、ノイズ源や環境不安定になりやすい。モードロックレーザのトポロジカルな振る舞いを利用することで、結果として得られる周波数コムをこれらのノイズ源の一部から保護することができる」(Marandi)。
Marandiは、将来的には、この新しいタイプのレーザの豊富な物理を利用して、他の実験プラットフォームではアクセスできない非線形トポロジカル物理学の領域にアクセスし、高度なタイプのセンサとコンピューティングハードウェアを開発したいと考えている。
この論文「Topological Temporally Mode-Locked Laser」で、Nature Physicsに掲載された。
資金提供元は、米国国立科学財団、空軍科学研究局、陸軍研究局、日本学術振興会、アジア航空宇宙研究開発局、ファウンデーション・クエスチョン研究所、NTTリサーチなど。