LZH、酸化なしの蝋付けと3Dプリンティング、無酸素生産研究

March, 11, 2024, Hannover--金属加工の分野では、酸化への対処は非常に困難である。考えられるアプローチの1つは、酸素のない環境で生産を行うこと。LZHは、この概念をレーザビーム蝋付けと積層造形（AM）にどのように適用できるかを研究している。

酸素は、金属加工業界の多くの生産プロセスにおいて破壊的な要因である:酸素の存在下での金属加工中に形成された酸化物層は、ワークピースの接合を妨げ、部品や工具の摩耗を加速させる可能性がある。共同研究センタ(CRC)1368「無酸素生産」では、研究者が革新的な方法を採用して酸化問題に取り組んでいる。それは、製造中に少量のシランを含むアルゴン保護ガスを導入する。シランは周囲の酸素と反応し、XHV環境と同等の雰囲気を作り出す。この雰囲気は、超高真空中と同程度の酸素含有量が極めて低い。この酸素排除アプローチは、技術的な真空を実装するよりもはるかに費用対効果が高くなる。LZHでは、粉末床ベースのレーザビーム溶融とレーザビーム蝋付けにこの方法を研究してい．。

目標:フラックスなしのレーザビーム蝋付け
サブプロジェクトでは、金属の接合と切断のグループが、フラックスの必要性を排除する新しい蝋付けプロセスを開発した。フラックスは、部分的に環境や健康に害を及ぼすものであり、通常、材料表面の酸化物層を破壊し、金属とフィラー材料を反応させるために使用される。新開発のプロセスでは、LZHの研究者は、代わりにnsパルスレーザビーム源で酸化物層を破壊する。続いて、シラン雰囲気中で連続波(cw)レーザビームの下で蝋付けプロセスが行われる。無酸素雰囲気は、プロセスステップ間の表面の再酸化を防ぐ。

研究者は、無酸素雰囲気でアルミニウム合金の酸化層を永久に除去する能力を実証した。その結果、適合するハンダ材料による表面ウエッティングが可能になった。2回目の資金調達期間では、研究者はプロセスをアルミニウムと銅の困難な混合接続に移し、プロセスの限界を探る。

無酸素雰囲気でのAM
アディティブ・マニュファクチャリング（AM） – 金属グループでは、レーザベース金属粉末床溶融結合法(PBF-LB/M)を用いて、金属粉末を無酸素雰囲気で処理する方法を研究している。このプロセスは、PBF-LB/Mプロセス用に特別に開発されたシステムでチタン合金Ti-6Al-4Vを使用して開発され、高速度カメラで監視した。

サブプロジェクトの目標は、無酸素雰囲気中でのプロセスと酸素の影響を根本的に理解することである。研究者は、酸素がないことで、より安定したプロセス、飛散の減少、およびコンポーネント特性の改善につながると期待していた。その結果、飛散物の数が減るだけでなく、酸化も少なくなり、粉体の劣化が減ることが実証された。とは言え、プロセスとコンポーネントの品質をさらに向上させるために、雰囲気中の水分と粉末の除去は、2回目の資金調達期間で徹底的に調査される予定である。

CRC 1368
共同研究センター(CRC)1368「無酸素生産」では、ライプニッツ大学ハノーバ校の8つの研究所、クラウスタール工科大学の4つの研究所、パーダーボルン大学の機械工学におけるデータ管理の講座と協力している。CRCはドイツ研究財団(DFG)から資金提供を受けており、2回目の資金提供期間は2027年末まで約1,050万ユーロの支援を受けている。