January, 15, 2024, New York--ロチェスタ大学の科学者は、X線回折技術によって生成された膨大な量のデータをフルイにかけることができるディープラーニング(DL)モデルを開発した。
ロチェスター大学の研究者によると、ディープラーニングは、すでに新素材の特性評価のゴールドスタンダードとなっている技術を強化することができる。npj Computational Materialsの論文では、学際的チームが、X線回折実験で生成される膨大な量のデータをより有効に活用するために開発したモデルについて説明している。
X線回折実験では、高輝度レーザがサンプルを照射し、材料の構造と特性に関する重要な情報を含む回折画像を生成する。プロジェクトリーダー、Niaz Abdolrahim (機械工学科准教授、レーザエネルギー研究所(LLE)の科学者)によると、これらの画像を分析する従来の方法は、論争の的となり、時間がかかり、しばしば効果がない。
「これらの画像の各々には、多くの材料科学と物理学が隠されており、世界中の施設やラボでテラバイト級のデータが毎日生成されている。このデータを分析するための優れたモデルを開発することは、材料のイノベーションを促進し、極限条件の材料を理解し、様々な技術的用途のための材料を開発するのに極めて有用である」と、と同氏は説明している。
材料科学Ph.D学生、Jerardo Salgadoをリーダーとするこの研究は、原子圧物質センタの研究者がLLEで行っているような高エネルギー密度の実験に特に期待されている。極限状態にある物質が相を変える瞬間を正確に調べることで、科学者は新しい物質を作る方法を発見し、星や惑星の形成について学ぶことができる。
Abdolrahimによると、このプロジェクトは、米国DOE国家核安全保障局(NSA)と全米科学財団(National Science Foundation)から資金提供を受けており、主に合成データを用いて訓練・評価されたX線回折分析用の機械学習モデルを開発するというこれまでの試みを改良したものである。コンピュータサイエンス学科のAbdolrahim准教授、Chenliang Xu准教授、それに学生たちは、無機材料を使った実験から得られた実世界のデータを取り入れて、ディープラーニングモデルをトレーニングした。
Abdolrahimによると、モデルの改良に役立てるためには、より多くのX線回折分析実験データを公開する必要がある。同氏によると、チームは、システムのトレーニングと評価に役立つデータを他の人が共有し、さらに効果的なものにするためのプラットフォームの作成に取り組んでいる。