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幻の素粒子”マヨラナ粒子”の量子テレポーテーション現象を解明

December, 13, 2023, 東京/大阪--大阪大学大学院基礎工学研究科の大学院生 高橋雅大、水島健准教授、藤本聡教授、東京大学大学院理学系研究科の山田昌彦特任講師、学習院大学理学部物理学科の宇田川将文教授からなる研究チームが、特殊な磁性体中に存在するマヨラナ粒子の量子もつれを利用した、量子テレポーテーション現象を理論的に解明した。

素粒子の1つとして1937年に理論提案されたマヨラナ粒子は、実験的には未発見の幻の粒子である。近年、特殊な磁性絶縁体中にマヨラナ粒子が出現する可能性が指摘され、物質中のマヨラナ粒子の探索が盛んに行われている。これまで、物質中のマヨラナ粒子は強い量子もつれ状態にあると知られていたが、それを実験的に測定する方法は不明だった。

今回、解析的な理論計算と数値シミュレーションを組み合わせることで、物質中のマヨラナ粒子の量子もつれを介して、遠く離れた2つの電子スピンが互いに情報をやりとりする量子テレポーテーション現象が起こることを解明し、さらに特殊な顕微鏡を用いてこの現象が電気的に測定可能であることを示した。この測定は、物質中のマヨラナ粒子の探索や、物質中のマヨラナ粒子を用いたトポロジカル量子コンピュータの実現に貢献することができる。

(詳細は、https://www.univ.gakushuin.ac.jp)