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トランジスタの新動作原理プラズモンでテラヘルツ波検出感度を一桁以上向上

November, 27, 2023, 仙台--東北大学、理化学研究所の研究グループは、インジウムリン系高電子移動度トランジスタ・ベースのテラヘルツ波検出素子において、プラズモン流体非線形整流効果に加えてゲート・チャネル間ダイオード電流非線形性を重畳した新たな検出原理”プラズモニック三次元整流効果”が発現することを発見し、それによって従来性能を一桁以上上回る電流検出感度を得ることに成功した。
さらに、高速伝送系とのインピーダンス整合が可能になり、高速変調信号の多重反射による波形歪みの問題を劇的に解消できる効果が得られることを実証した。これらは次世代6G&7G超高速無線通信の実現への道を拓く画期的な成果。

現在主流になりつつある5G無線通信に続き、テラヘルツ波を使って通信速度をさらに1~2桁高める次世代の6G、7G無線通信の研究開発が始まっている。半導体電界効果トランジスタの電子チャネル内に励起される二次元電子群の荷電振動量子(二次元プラズモン)は、その流体的振る舞いに起因する強い非線形整流効果と、電子走行時間に律速されない高速応答性から、従来型電子デバイス/光デバイスでは困難な室温で動作する高速応答・高感度なテラヘルツ波検出素子を実現する動作原理として注目されている。

発表の要点
・テラヘルツ波(THz)の検出素子として定評のあるインジウムリン系高電子移動度トランジスタを用い、新しい動作原理を発見して適用することにより、従来の性能を一桁以上上回る大幅な検出感度向上に成功した。
・同素子の無線通信への実用化において障壁となっていた、高速変調信号の波形歪みの問題を劇的に解消できる効果も得られることを示した。
・6G、7G超高速テラヘルツ無線通信の実現に貢献すると期待される。

研究成果は、Nanophotonics誌に2023年11月9日にオンライン掲載された。

研究グループ
東北大学電気通信研究所の佐藤昭准教授ら、東北大学未来科学技術共同研究センターの末光哲也特任教授、理化学研究所光量子工学研究センターの南出泰亜チームリーダー他

(詳細は、https://www.tohoku.ac.jp/)