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波長230nm遠紫外LED光源と高出力光源モジュール開発

November, 13, 2023, 東京--日本タングステンと理化学研究所 平山量子光素子研究室の平山秀樹主任研究員は、2019年より開始した人体への影響を低く抑えつつウイルスに対する不活化効果の高い遠紫外LEDの開発を目指した共同研究において、波長230ナノメートル(nm)の遠紫外LED光源を開発し、これを集積化した高出力光源モジュールの開発に成功した。

これまで、波長230nm LEDを用いて発光に至った報告例は少なく、人体に対して無害とされる波長のLEDを活用して、医療における予防・検査、環境衛生などの分野への展開が期待される。

研究の成果
理研と⽇本タングステンの共同研究チームは、p 型半導体側に対して分極ドーピング技術適⽤により、ホール濃度を⾼められた結果、出⼒を最⼤で 3.2 mW と⼤幅に⾼めた遠紫外 LED の開発に成功し、国際会議 IWN2022 (International Workshop on Nitride Semiconductors 2022)にて研究成果として発表した。この成果は 2022 年に特許出願を⾏い、国内早期審査の結果 2023 年5 ⽉に⽇本国内で登録され、特許番号 7291357 が付与された。
また、ウイルス不活化に効果的な性能を持たせるため、この遠紫外 LED を集積し多数個搭載した光源モジュールを製作し、連続動作で出⼒ 88 mW、パルス動作で 100 mW を⼤幅に超える出⼒ 210mW を達成した。
(詳細は、https://www.nittan.co.jp)