November, 7, 2023, Rochester--ロチェスター大学の研究者は、弱値増幅(WVA)の量子技術を活用して、ドローンのジャイロスコープを置き換えることを目指している。
研究チームは、無人航空機(UAV)やドローンで現在使用されているジャイロスコープに取って代わるフォトニックチップを開発しており、GPS信号が妨害されたり利用できない場所を飛行できるようにする。チームらは、弱値増幅(WVA)と呼ばれる量子技術を用いて、小型の携帯型フォトニックチップにバルク光学ジャイロスコープと同等の感度レベル提供を狙っている。これは、ドローンのナビゲーションを変革する可能性を秘めている。
Institute of OpticsのJaime Cardenas准教授は、2026年までチップを開発するために、米国科学財団の新たな助成金を受け取った。同氏によると、現在最先端のドローンに使用されている光ファイバジャイロスコープには、長さが数kmのファイバスプールが含まれている、あるいはダイナミックレンジに限界がある。
「現在、ジャイロスコープの感度と安定性は、そのサイズと重量の間で根本的にトレードオフの関係でなければならない」(Cardenas)。
「ドローン、UAV、人工衛星の小型化と普及が進むにつれ、超小型のナビゲーショングレードのジャイロスコープの必要性が重要になる。最先端の小型ジャイロスコープはコンパクトでロバストであるが、ナビゲーションでの使用を阻む性能不足に悩まされている。
Cardenasによると、WVAは、従来の方法よりも優れている。複数の技術的ノイズ形式を増幅するコストをかけることなく、干渉測定の信号を増幅するからである。しかし、弱値増幅の以前のデモンストレーションでは、正確なアライメントによる複雑なラボセットアップが必要だった。Cardenasは、高Q値リング共振器を備えた小さなフォトニックチップにWVA実装をしようとしている。
このプロジェクトにおけるCardenasの共同研究者には、元ロチェスター大学教員、現在はチャップマン大学の物理学者Andrew Jordanがいる。Cardenasは、同大学のDavid T. Kearns Center for Leadership and Diversityと協力する予定である。
(詳細は、https://www.rochester.edu)