October, 26, 2023, Raleigh--NC Stateの研究者は、建物の居住者が透明または「通常の」窓の3つのモード間で窓を切り替えることを可能にする次世代の動的窓の材料を実証した。赤外線を遮断し、建物を涼しく保つのに役立つ窓。視界を維持しながらギラつきを制御する色付きのウィンドウ。
エレクトロクロミズムに基づく動的窓(電気刺激に応答して不透明度が変化する)は、新概念ではないが、この時点まで、ほとんどの動的なウィンドウはクリアまたはダークだった。
「われわれの研究は、利用可能なオプションがもっとあることを示している。具体的には、光が窓を通過しながら、建物をより涼しく保ち、エネルギー効率を高めることができることを示した」と、この研究に関する論文の共同著者、NC State材料科学&工学のJake and Jennifer Hooks Distinguished Scholarの著名な学者、Veronica Augustynはコメントしている。
よりダイナミックな窓素材の鍵は水である。
具体的には、研究チームは、水が酸化タングステンの結晶構造内で結合し、酸化タングステン水和物を形成すると、材料がこれまで知られていなかった挙動を示すことを確認した。
酸化タングステンは動的窓に以前から使用されてきた。これは、酸化タングステンが通常透明であるためである。しかし、電気信号を印加してリチウムイオンと電子を材料に注入すると、その材料は暗くなり、光を遮断する。
研究チームは、酸化タングステン水和物と呼ばれる関連材料にリチウムイオンと電子を注入するときに遮断される光波長を効果的に調整できることを示した。リチウムイオンと電子がハイドレート材料に注入されると、最初に「熱遮断」相に移行し、可視波長の光を通過させるが、赤外光は遮断する。リチウムイオンと電子の注入量が多くなる、材料は暗相に移行し、可視波長と赤外線波長の両方の光を遮断する。
「結晶構造に水が存在すると、構造の密度が低下するため、リチウムイオンと電子が材料に注入される際も、変形に対して構造の耐性が向上する。われわれの仮説は、酸化タングステン水和物は変形する前に通常の酸化タングステンよりも多くのリチウムイオンを収容できるため、2つのモードが得られるというものである。リチウムイオンと電子の注入が光学特性に影響を与えるが、構造変化がまだ起こっていない ‘cool’ modeがあり、これが赤外光を吸収する。さらに、構造変化が起こった後、可視光と赤外光の両方を遮断する‘dark’ modeがある」と、論文の筆頭著者、NC Stateポスドク研究員、Jenelle Fortunatoは説明している。
「スマートウィンドウ界ですでによく知られている単一の材料でデュアルバンド(赤外線と可視)光制御の発見は、強化された機能を備えた商用製品の開発を加速する可能性がある。もっと大まかに言えば、独特の電気化学的特性を生み出す際、構造水の予期せぬ役割は、スマートウィンドウ開発者を超えて研究コミュニティを刺激し、エネルギー貯蔵および変換材料の革新につながる可能性がある」と、論文の共同著者、University of Texas at Austinの工学のSr. Chair #1、Delia Millironはコメントしている。
(詳細は、https://news.ncsu.edu)