October, 25, 2023, 京都/東京--京都大学電子工学専攻野田進教授、森田遼平同特定研究員、附属光・電子理工学教育研究センター井上卓也助教とKDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所らの研究グループは、光を緻密制御するフォトニック結晶レーザを用いた超高感度な自由空間光通信方式の実証に成功した。
フォトニック結晶レーザの周波数変調と弱い光でも多くのデータ受信を可能とするコヒーレント受信方式を組み合わせることで、送信器から発射された光が受信側で1億分の1に減衰していても、光ファイバ増幅器を用いることなく通信が可能となる。これにより、宇宙空間における低軌道衛星-静止軌道衛星間(約3万6,000km)に相当する距離で通信ができるようになる。
この研究成果は、小型かつ低消費電力な、宇宙空間での光通信の長距離化に寄与するものである。6G時代には、移動体通信の適用範囲はさらに拡大し、地球上のみならず宇宙空間にまで広げることが期待されている。今後、さらなる研究開発を進め、6G時代に向けたフォトニック結晶レーザを用いた宇宙通信の安定で大容量な通信の実現に貢献していく。
この研究成果は光通信分野では世界最大規模である国際学術会議ECOC2023(The European Conference on Optical Communication)(2023年10月1日~5日開催)において、ポストデッドライン論文(PDP)として発表された。
(詳細は、https://www.kddi-research.jp)