November, 19, 2014, Washington, D.C.--Timothy Strobel氏をリーダーとするカーネギーの研究チームは、全く新しい形態のシリコンを合成した。
直接バンドギャップ材料は効果的に光を吸収し放出するが、ダイヤモンド構造のシリコンのような間接バンドギャップ材料はそれができない。
新しい技術でシリコン利用が魅力的になるには、シリコンの間接バンドギャップを変える必要がある。研究チームは、疑似直接バンドギャップを持つ新形態のシリコンを合成した。
研究チームが実現したシリコンは、いわゆる同素体で、同じ元素の異なる物理的形態である。ダイヤモンドとグラファイトが両方とも炭素の形態であるのと同様である。従来のダイヤモンド構造とは違い、この新しいシリコン同素体は開構造、いわゆるゼオライト型構造となっており、5-、6-、8-シリコン環を持つチャネルで構成されている。
研究チームは、これを高圧前駆体プロセスで作製した。まず、シリコンとナトリウムの化合物、Na4Si24を高圧条件で形成。次に、この化合物を大気圧に戻し、真空下で加熱することでナトリウムを完全に除去。結果として得られた純粋シリコン同素体Si24は太陽エネルギー変換技術にとって理想的なバンドギャップを持ち、従来のダイヤモンド構造のシリコンと比べて遙かに効果的に光を吸収し放出することができる。Si24は大気圧で、少なくとも450℃まで安定している。
研究リーダー、Timothy Strobel氏によると、高圧前駆体合成は、新エネルギー材料の全く新しい領域である。「独自の高圧装置を使うことで、新しい構造にアクセスすることができ、永遠の材料課題を本当に解決する可能性がある。ここでは、シリコンの未知の特性を実証しているが、この方法は全く異なる材料にも拡張できる。これらの新しい構造は大気圧で安定であるので、量産戦略も可能性がある」とStrobel氏は話している。