October, 12, 2023, Mainz--スマートフォン、テレビ、その他のデバイスで使用できる青色有機発光ダイオード(OLED)は、今日でも製造が困難である。マックスプランクポリマー研究所(Max Planck Institute for Polymer Research)のGert-Jan Wetzelaerをリーダーとする研究者チームは、青色OLEDを簡単かつ費用対効果の高い方法で製造できる新しい材料コンセプトを開発した。
開発した発光ダイオードの効率はすでに、はるかに複雑な構造を採用した市販のものに匹敵している。
赤、緑、青:3原色は、カラー画像を表示するためにあらゆる種類の最新ディスプレイで使用されている。有機発光ダイオード(OLED)を使用する現在の画面では、1ピクセルが3つの個別、マイクロOLEDsで構成されている。約200万の個別ピクセルのTVスクリーン全体は、600万のLEDsで構成されていることになる。したがって、製造の容易さと高いエネルギー効率は、製造コストとその後の電力コストの両方にとって極めて重要になる。
これまでのところ、青色OLEDの製造が課題になっていた。高効率達成のために、現代のOLEDsは多層材料系を使用している。このサンドイッチ構造は、時には最大7層で構成され、外部に放出される光の効率は20~30%を達成することができている。
ポリマ研究のためのMPIのPaul Blom部門のグループリーダー、Gert-Jan Wetzelaerが率いる研究チームは、はるかに簡素なOLED構造を開発した。チームは、7層の代わりに、2つの接点間の発光に関与する単一の活性層だけがすでに、効率的なOLEDに十分であることを示すことができた。この単層に使用される材料の重要成分は、水や酸素などの欠陥による有害な影響の防止である。
「われわれの材料系により、将来的には溶液から効率的な青色OLEDを製造することもできる」とGert-Jan Wetzelaerは話している。「これは、製造に多段階のプロセスや複雑な蒸発装置が不要になることを意味するが、そのようなOLEDは最良のシナリオで印刷することもできる」。
新しい単層OLEDコンセプトにより、100%の内部量子効率、つまり供給された電気エネルギー全体が光に変換されるという結果を達成することができた。すべてのOLEDに存在する界面での光損失により、光の約27%が外部に放出される、これは既存の複雑な商用OLEDと匹敵する値である。
研究チームは現在、”Advanced Materials”.誌に成果を発表した。