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らせん形状の極小ガラス容器で緑から青まで自在にCPL発光色制御

October, 6, 2023, 大阪--大阪工業大学、東京工業大学、および台湾の国際研究グループは、螺旋形状極小ガラス容器に蛍光分子と溶媒を入れるというシンプルなアイデアで、緑から青色まで自在に円偏光発光(CPL)発光色を制御する技術を確立した。

光の振動の方向が偏った光が偏光、さらに光の振動が右あるいは左方向に円を描きながら進行する偏光は円偏光。太陽光や蛍光灯の光には右回りと左回りの円偏光が同じ割合で含まれている。一方、分子などを利用して右回りと左回りの円偏光のうち、どちらかに偏った光を発光させる現象は円偏光発光(CPL)と言う。CPLを示す材料は3Dディスプレイや量子コンピュータへの応用展開が期待されている。
これまでCPLを示す材料には高価なキラル構造からなる分子が必要とされてきた。また、CPLの色を変化させるためには、その都度キラル分子を作る必要があった。
研究グループは、独自手法で調製した、らせん形状の極小ガラス容器にアキラルな蛍光分子と溶媒を入れることでCPLが観測されることを明らかにした。さらに、溶媒の種類(水、メタノール)及びその混合比を変えることでCPLの発光色を緑から青色まで自在に変化させることにも成功した。

この研究成果より、
①安価なアキラルな分子を利用してCPL材料の開発が可能になる。
②らせん形状の極小ガラス粉末容器に蛍光分子溶液を入れる技術のため、ガラス容器の中に溶液が含まれた固体粉末としてCPL材料を取り扱うことができる。

研究グループ
大阪工業大学応用化学科の平井智康准教授・坂井飛成(化学・環境・生命工学専攻博士前期課程1年)、台湾の国立陽明交通大学、李明家准教授、東京工業大学、早川晃鏡教授
(詳細は、https://www.oit.ac.jp)