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環境にやさしい有機薄膜太陽電池の変換効率を1.5倍に向上

September, 28, 2023, 京都/広島--京都大学高分子化学専攻の大北英生教授、広島大学大学院先進理工系科学研究科の尾坂格教授、斎藤慎彦助教、大阪大学大学院工学研究科の佐伯昭紀教授らの共同研究チームは、発電材料であるπ共役ポリマがアモルファスでありながら有機薄膜太陽電池(OPV)のエネルギー変換効率を高められることを発見した。

次世代の塗布・フィルム型太陽電池であるOPVは、カーボンニュートラル実現に向けて重要な太陽光発電技術として近年注目されている。同様の塗布・フィルム型であるペロブスカイト太陽電池が発電層に鉛など重金属を含むのに対し、OPVは発電層に有機物のみを用いることから、環境にやさしいことが特長。OPVの実用化には、エネルギー変換効率の向上が大きな課題の一つである。そのためには、π共役ポリマの結晶性を高めることが高効率化の鍵と考えられていた。しかし今回、広島大学の研究グループは、アモルファスでもポリマ鎖の平面性が高い特異的な構造を有するπ共役ポリマを開発することで、変換効率を従来のアモルファスπ共役ポリマよりも1.5倍まで、また結晶性π共役ポリマと同様の値まで高めることに成功した。

研究成果は、2023年9月21日(木)午後6時(日本時間)にSpringer Natureが発刊する科学誌「Communications Materials」にオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.t.kyoto-u.ac.jp)