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ファイバオプティックケーブルで地震を検出、特徴付ける

August, 30, 2023, Pasadena--カリフォルニアには、数千マイルの光ファイバケーブルが州全体に敷設され、人々にインターネットを提供している。しかし、これら地下ケーブルには第2の機能が可能である。地震を検知、計測することができる。
Caltechの新しい研究で研究者は、光ケーブルを使ってマグニチュード6地震の複雑な詳細を計測でき、4箇所の個別アスペリティ、断裂につながる断層の行き詰まった領域を正確に示すことができると報告している。

数年来、地球物理学教授、Zhongwen Zhan (PhD ’14)と同氏のチームは、ファイバオプティクケーブルを別の目的に利用することが、いわゆる分布音響センシング法による間に合わせの地震計の高密度ネットワークで、地震活動を計測するわれわれの能力を飛躍的に拡大する簡単な方法であるとを示すことを狙っていた。Natureに発表された新しい研究は、特に2021年の地震の背後にある複雑なメカニズムを正確に理解するためにケーブルの100ーkmだけを利用したが、もっと多くのケーブルにアクセスすると、地震物理学の理解が改善され、究極的には優れた地震の早期警戒システムが可能になることを示唆している。

「地震活動を計測するために、もっと広範にカバーすると、地震の研究方法を変革し、より進んだ警報が提供できる」とZhanは、話している。「われわれは地震を予測できないが、分布音響センシングは、地震の破裂の仕方に内在する細部をもっとよく理解できるようにする」。

南カリフォルニアには、約56500平方マイルに約500の地震計があり、各々のコストは、50000ドルである。一方、州全体の光ファイバケーブルの利用は、数100万の地震計で州をカバーすることに相当する。

光ファイバケーブルを地震計として利用するには、レーザエミッタをケーブル端に設置し、ケーブルコアを構成する長く細いガラスストランドに光ビームを打ち込む。ガラスには、光の微小部分を反射して光源に返す微小な欠陥があり、そこで戻り光が記録される。こうして、個々の欠陥が、一般に地下に埋設されている光ファイバケーブルに沿って追跡可能な中間点として機能する。地上を伝わる地震波は、ケーブルを小刻みに動かし、これがこれら中間点への、また中間点からの光の伝播時間を変える。したがって、ケーブル長に沿った欠陥が、数千の個別地震計として機能する。これにより地震学者は、地震波の動きを観察できる。

この新しい研究では、チームは、2021 Antelope Valleyマグニチュード6の地震中、Eastern Sierra Nevadaに敷設された光ファイバケーブルを伝播する光信号を調べた。ケーブルのセクションは、10000の地震計に相当し、M6が、一連の4つの小さな断絶からなることを見つけることができた。ミニ地震のような、これら「サブイベント」は、従来の地震ネットワークでは検出することができなかった。

Nadia Lapusta研究所と協力してチームは、計測され地震活動に基づいてM6地震の正確なモデルを作成することができた。モデルは、4つのサブイベントのタイミングを示し、断層領域上の正確な位置を特定した。

「光ファイバケーブルを一連の地震計として利用することで、以前から仮定されていたが、考えにくい地震物理学の側面を明らかにできる」(Zhan)。

論文タイトルは、”The break of earthquake asperities imaged by distributed acoustic sensing.”地球物理学ポスドク研究助手、Jiaxuan Liが筆頭著者。

(詳細は、https://www.caltech.edu/)