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MIT、原子厚の半導体で異例の光伝導

November, 11, 2014, Atlanta--シリコンなどの半導体に光を照射すると伝導性が向上することはよく知られているが、特別な半導体では光照射は逆の効果、つまり材料の伝導性を抑制することが発見された。
 この現象は、非標準的な2D半導体、わずか3原子厚の二硫化モリブデン(MoS2)の単層で発見された。
 MITの研究チームは、強いレーザ光を照射したとき、単層MoS2の当初の伝導性が約1/3に減少したことを確認した。研究チームは、レーザパルスを使ってその効果を生成し、時間遅延テラヘルツパルスを使ってその材料の伝導性応答を調べた。
 半導体に光を照射すると伝導性が高まる。これは光吸収によって自由な電子とホールのペアが生まれ、材料内に電子の「欠損」が生じるからである。これによって材料で電気の流れが促進される。この現象は、太陽電池、デジタルカメラ、その他の光検出器など、オプトエレクトロニクスデバイスの設計と最適化の基礎となっている。
 MITのチームは、2D半導体に逆の振る舞いを観察した。
 強い静電相互作用は興味深い効果を生み出す。光が材料内に電子-ホールペアを作り出すと、3D固体であればペアは自由に飛び出すが、ここでは束縛状態にとどまる。これは励起子(エキシトン)と呼ばれている。
 単層MoS2における相互作用は非常に強いので、エキシトンは材料内の余分な電子を捉え、2つの電子と1個のホールで束縛状態を形成する、つまりトリオンとなる。これは負に帯電した水素イオンと類比的であり、これは2つの電子と1個のプロトンで構成されている。
 トライオンは不安定な粒子となることが知られており、低温で現れるが極めて短時間にしか存続しない。したがって、材料の伝導性に対するそれの影響を調べるのは非常に難しかった。「単層MoS2では、トライオン的効果は非常に強いので、室温でもそれを観察できる。トライオンの存続は10億分の1秒以下であるが、われわれの超高速テラヘルツ技術は、それらが減衰する前に検出することができる」とLui氏は説明している。
 Gedik氏によると、この効果は光パルスを使うことでON/OFFできるので、そのようなデバイスは有線接続無しで容易に制御できる。