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薄膜転写による異種材料結晶の集積技術を開発

August, 21, 2023, 東京--東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の庄司雄哉准教授と産業技術総合研究所 プラットフォームフォトニクス研究センターの高磊主任研究員らの共同研究チームは、薄膜転写技術を用いて異種材料結晶を微小な薄膜シールに加工し、光回路上に集積する「マイクロトランスファープリンティング」技術を創出し、超小型の光アイソレータ作製に成功した。

従来、構造の異なる光学結晶同士を堆積や成長などの一般的な製造加工プロセスにより一体化することは困難とされており、高機能で高性能な光集積回路を実現する障壁となっていた。
研究では、特に加工が難しい磁気光学結晶を1 μm以下まで薄膜化し、中空に保持されたシール構造に加工する技術を開発した。さらに、粘性のある高分子フィルムによりその微小な薄膜シールをピックアップし、シリコン光回路上の任意領域へ高精度に貼り付ける転写技術を開発した。従来に比べて1/10以下の回路面積をもつ光アイソレータの作製に成功したことで、半導体レーザや光増幅器など他の主要光素子と同程度の寸法に留まり、実現困難と予想された光源との一体集積が狙える。また、体積比は1/300となり、実装工程における再配線や保護膜形成が可能になる。これらのメリットは光回路の集積密度および信頼性の向上へつながる。
研究成果は、東京工業大学 工学院 電気電子系の峰村大輝大学院生、同 科学技術創成研究院 庄司雄哉准教授、産業技術総合研究所 プラットフォームフォトニクス研究センター 高磊主任研究員、須藤吉克技術職員、村井俊哉研究員、山田浩治研究チーム長によって行われ、8月4日付のOPTICA(旧米国光学会)の機関誌「Optics Express」のオンライン版に掲載された。

(詳細は、https://www.titech.ac.jp)