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UC Davis、III-V技術に対抗するSiスポンジ

August, 15, 2023, Davis--光粒子(フォトン)ベースで動作するフォトニクスが、光通信、電子と光ネットワーク間の接続、イメージングなどのアプリケーションでますます重要になってきている。
しかし、シリコン、電子チップ作製の主要半導体は、フォトニックアプリケーションには素晴らしい材料ではない、GaAsなど他の半導体と比べて近赤外光の吸収が劣るからである。一方、GaAsはシリコンマイクロエレクトロニクスとの集積が難しい。結果的に、フォトニックデバイスは、製造が高価になる。

UC Davis、電気コンピュータ工学教授、Saif Islamとチームは、シリコンのフォトン吸収を飛躍的に高めるアプローチを考案した。研究成果は、Advanced Photonics Nexusに発表された。

研究チームは、規則的な小さな孔を開けたシリコンのマイクロメートル厚ウエファを作った。赤外光がウエファに当たると、これらの構造に「トラップされ」、ほぼ90°に曲り、ウエファを横方向に進む。これにより半導体と接触が増加し、フォトン吸収が高まる。

チームのシミュレーションは、このフォトントラッピングが、プレーンシリコンウエファに対して数倍の吸収増となり、実際、GaAsを凌ぐことを示した。

そのアプローチは、チップ製造技術に適合しているので、新しい世代の安価な光エレクトロニクスデバイスが可能になる。