August, 10, 2023, Bochum--研究チームは、半導体ナノ構造で量子重ね合わせ状態を作った。これは、量子コンピューティングの基盤として役立つ可能性がある。仕掛けは、単一のテラヘルツレーザパルスとして動作する2つの光レーザパルスである。
ドイツー中国の研究チームは、半導体ナノ構造に量子ビットを作ることに成功した。その特殊なエネルギー遷移を利用してチームは、半導体の微小領域、量子ドットに重ね合わせ状態を作った。ここでは、電子ホールが同時に2つの異なるエネルギーレベルを持っていた。そのような重ね合わせ状態は、量子コンピューティングの基礎である。しかし、その状態の励起には、テラヘルツ域で光を発することができる大規模な自由電子レーザが必要になる。加えて、この波長は、ビームを微小な量子ドットに集光するには大きすぎる。ドイツー中国チームは、今回、2つの微調整短波光レーザパルスで励起を達成した。
レーザが放射オージェプロセス始動
チームは、いわゆる放射オージェ(Ager)遷移を利用した、このプロセスで、電子はホールと結合し、一部シングルフォトン形式でエネルギーを放出、一部はエネルギーを別の電子に移転する。その同じプロセスが電子ホール、別の言い方では、ミッシングエレクトロンで観察できる。2021年、研究チームは、半導体で放射オージェ遷移の特異的刺激に初めて成功した。
現在のプロジェクトで研究者は、放射オージェプロセスが一貫して推進できることを示した。チームは、相互に特殊な強度比率の2つの異なるレーザビームを使用した。最初のレーザで、量子ドットの電子ーホールペアを励起して、2つのホールと電子で構成される準粒子を作る。第2のレーザで、放射オージェプロセスを始動し、一つのホールを一連の高オネルギー状態に押し上げる。
同時の2つの状態
チームは、微調整したレーザパルスを使って、ホール基底状態とより高いエネルギー状態の間で重ね合わせを作った。こうしてホールは、同時に両方の状態に存在した。そのような重ね合わせは、量子ビットの基盤である、つまりそれは、従来のビットとは違い、“0” と “1”の状態にあるだけでなく、両者の重ね合わせにも存在する。
Hans-Georg Babinが、実験のために高純度半導体サンプルを作製した。実験は、Dr. Arne Ludwig監督の下でRuhr University Bochumで行われた。
その過程で、研究チームは、量子ドットのアンサンブル均一性を高め、生成構造の高純度を確実にした。これらの計測が、中国の協働パートナー、Jun-Yong YanとFeng Liuによる実験のパフォーマンスを促進した。
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