October, 30, 2014, Albuquerque--サンディア国立研究所光学エンジニア、Brett Bagwell氏は「突撃ライフル用迅速適応型ズーム」(RAZAR)プロトタイプの開発を主導している。
ボタンを押すとRAZARは高倍率と低倍率を切り替えることができ、兵士は目標から目を離すことなく、またライフルから手を離すことなくズームインすることができる。
RAZAR技術は、軍用ライフルスコープだけでなく、スピード、サイズ、重量、パワーが重要視される他のアプリケーションでの利用も考えられている。アプリケーションには、医療イメージング、軍からバードウオッチャーまでの双眼鏡、狩猟用スコープ、携帯電話カメラが含まれる。
RAZARプロトタイプは、サンディア光学エンジニアのDavid Wick氏が発明し特許となっているアクティブ光学ズームシステム「適応型ズーム」を用いている。
従来の光学ズームは、光軸に沿ってレンズの位置を調整することで倍率を変える。例えば、35㎜カメラは、被写体に対してズームイン、ズームアウトするには機械的にレンズを動かす。
適応型ズームは、レンズ表面の曲率を変えることで2つまたはそれ以上のレンズの焦点距離を変えるので、レンズ相互の位置を変えることはなく、ユーザは広角画像か、関心のある領域にズームインするかのいずれかとなる。
適応型ズーム中核技術
・ポリマレンズコアは、ポリマ液をエンカプセルした柔軟な気密封止の膜を2つ持っている。3/4インチのレンズは、完全な光学設計となるようにガラスレンズと調整される。
・圧電アクチュエータが、電気・機械的にレンズの曲率を変え、250ms以内に正しい位置を決める。精度は100nm。このアクチュエータは、人の目の筋肉が目のレンズの曲率を変えて焦点を変えるように動作する。
・可変焦点距離システム設計ツールは最初から開発する必要があった。これには光学システムを通した光線追跡の解析表示とコンピュータモデルも含まれる。
可変光学レンズが初めて開発されたのは1800年代後半のことであったが、材料が制限要因となってアプリケーションはほとんどなかった。適応型ズームは、2つ以上のレンズの焦点距離を協調させて変えることによって真の光学ズームを実現した。ここでは通常の機械的動作もなく、サイズを縮小し、ズームレンズに必要なパワーも抑制した。